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台湾の中・長距離バス4社を徹底比較 最も快適なのはアロハバスだ!(3ページ目)

台湾内を走る中・長距離バス、座席の豪華さだけが注目されがちですが、最近は各社が様々なサービスを実施しています。今回は4社のバスに乗車、その比較をお届けします。アナタならどれに乗ってみます?

執筆者:阿多 静香

【空軍一號】

台北から屏東へ行く際に利用した空軍一號。名前に惹かれて乗車してみました。空軍一號は、台北~台中・草屯・竹山・屏東・墾丁の各路線の他、台南~高雄を走っています。台北での乗車場所は、台北駅北側にあるバス各社の乗り場が集まった一角。赤紫色の看板が目印です。

24時間営業で、20~30分間隔で運行。料金はウェブで確認しようと思ったのですが、ウェブが存在しなくなってしまいまして、料金をここで表示できません、申し訳ありません。ただ、平日割引があり、屏東まで大人片道550元が、平日なら450元でした。

空軍一號は、観光用の遊覧バスを使っているのですが、両側1列づつの豪勢な座席を一応は装備しています。が、私が座った席は2人掛けで、しかも前の座席との空間がないに等しい! これには閉口したのですが、通路側の席に座ってなんとか足場を確保しました。こういった2人掛けの席は、よほどの混雑でないがきり1人での利用になるようです。それにしてもちっとも快適な座席ではありません。椅子は相当古いし、横にあるリクライニング機能のボタンは壊れていて使えないし、しかも壊れたその部分が加熱していて感電するのではないかと不安だし。

車内では水やお菓子、お手拭きなどのサービスは一切ありません。乗車前に自分で用意しておく必要があります。座席ごとにテレビモニターがないので天井についているテレビを見るしかありません。しかもモニターは写りが悪く、ちゃんと見られませんでした。2時間弱の映画を流し終えると、突然車内の電気が消されて暗くなります。乗車した時が夜だったので、”道中長いぞ、少し寝なさい”という運転手の気遣いなのかは定かではありませんが。終点近くなって、人を降ろし始める頃やっと電気が灯されます。それまでは薄暗い豆電球の明かりのみ。もしも車内に痴漢がいたら、なんてことは考慮されていない感じでした。毛布もないので冷房対策は各自で行う必要があります。

こんな車内なら、トイレも想像できるから使いたくはないのですが、だからこそ利用しました。想像通り、汚かったです。和式なのですが本当に臭いし、この臭いが2階の客席にまでほのかに漂っていたんです! トイレットペーパーももちろんなし、想像通りのトイレでした。

たまたま古い車両に乗ってしまったのか、非常にアンラッキーな旅になってしまいました。疲れていたのでどんな状況でも寝られたのでよかったのですが、あれで寝られないとなると地獄の5時間だったと思います。もしかしたら、新しい車両ならばもう少しまともだったのかもしれません。噂では、04年3月から座席でe-mailの送受信が可能な車両も出てきたそうですが、確かな情報はまだ入手していません。

私による総合評価   ★☆☆☆☆

  

(2点ともイメージ画像)

【統聯客運】

統聯客運は、高雄から台北を利用しました。高雄駅の近くに、バス数社のチケットカウンターが集合しています。緑の文字が目印の統聯客運には、台北~台中・嘉義・台南・高雄・屏東の各路線の他、台中~台南・高雄、中正国際空港~台中の路線もあります。24時間営業、約20分間隔で運行、平日の割引があるのでお得です。高雄から台北は、大人片道500元のところ、平日なら350元で利用できます。サービスよりも料金の安さを選択されるなら、お得に利用できるのです(平日割引適用時間は、日曜21時~金曜12:59、および金曜21時~日曜12:59。但し春節、清明節といった大型連休時には適用されないので適宜確認を)。統聯客運の他にも平日割引をしている会社もありますが、ここで比較検討した結果、統聯客運に決めました。

統聯客運は、台湾で最大の中・長距離バス会社だけあって、路線の数や車両数も最大。細かく各地を網羅している上に料金も平日なら格安なので、上手につきあいたいバス会社なのです。

サービスがないわけではなく、いたって簡素、ということです。水やお菓子、お手拭き、毛布といったサービスはありませんが、座席のゆったり感はありますし清潔です。トイレもまあまあ清潔ですが、利用者が多い時にはトイレットペーパーが切れたらそれまでなので、各自ティッシュを用意しておくのがよいでしょう。

座席は指定ではないので、乗った順番に好きな席を確保します。私は敢えて最後部の座席に座ってみました。バス車内を見渡せ、席の座り心地も悪くありませんでした。一人掛けの椅子は豪勢な椅子で、マッサージ機能はなく、リクライニング機能だけあります。テレビモニターも各席にあります。後方の座席にはモニターがないので天井にあるテレビを見るようになります。

ん、気持ちよく眠っていたら、なんだか変な臭いが! 途中から乗車した人が、なんとドリアン(殻付き)を2箱も持っていました。殻がついていても食べ頃のドリアンなんか密室にあったら臭います。こんな荷物や大きな荷物は1階部分に置いてほしいものです。

統聯客運は、高雄から台北に向かう途中、台中のバスターミナルで休憩時間がありました。エコノミー症候群にならないためにも一度下車して足を動かせるのはよかったです。他のバスではこのように途中で止まることはありませんでした(もしかしたら路線によってはあるかもしれません)から、ポイント高しです。

◆私による総合評価   ★★★☆☆

統聯客運(中文ページ。閲覧にはフォントBig5などが必要)


記事1ページ目:【尊龍客運】

記事2ページ目:【阿羅哈客運】


【関連リンク】

●AAJガイド記事:「総統座椅」に座って楽々バスの旅--長距離バスの座席、豪勢なんです

台湾の高速バス事業者リンク集(ASIA BUS CENTER作成)
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