2003年5月15日現在、台湾におけるSARS(新型肺炎)の感染状況をお伝えします。
これまで、台北市を中心に感染者が出ていましたが、5/13付けの時事通信の報道によれば、高雄の総合病院でSARSの院内集団感染の疑いが強まったようです。台湾の南部でも感染が拡大している疑いが出てきました。
というのも、台北の病院に、感染、もしくは感染の疑いで隔離入院している人たちが、「入院していても特効薬もないから。なんらかの治療を受けられないから」といった理由で、病院からの脱走をはかって脱走に成功しています。もちろん見つかれば強制入院なのですが、見つからずにそのまま自宅に潜んでしまったり、名に喰わぬ顔で外出しているという、自己中心的な人もいます。
ということは、自分が気をつけていても、どこでどのように感染の可能性にぶつかっているかが特定できません。
居住されている方、やむを得ない理由で台湾を訪れる方、ご一読ください。
「自分は大丈夫」という誤った判断で、被害を拡大させないよう、慎重に行動すべきだと私は考えています。
▲ 台湾の現状(2003年5月18日現在)
▲ 台湾のSARS感染者数など(2003年5月18日現在)
▲ 台北西華飯店のSARS予防対策例(情報提供:同ホテルスタッフ・劉淳方さん)
<次ページに掲載>
台湾の現状
●5/8付け、外務省(日本)から、「台湾に対する渡航情報(危険情報)の発出 」として、「渡航の是非を検討して下さい」(台北への不要不急の渡航については延期をおすすめします)が出された。詳細は外務省海外安全ホームページを参照のこと
NEW(5/18)
●台北市天母の大葉高島屋、5/20まで消毒のため休業
NEW(5/18)
●台北市の日本人学校、5/25まで休校
NEW(5/17)
●関西方面を旅行した台湾人男性医師(台北市・馬偕病院勤務の26才)、SARSに感染と判明。
NEW(5/16)
●台北市・馬偕病院でも院内感染発生(感染患者を移送の際の不手際により)
●CKS(中正国際)空港などでは、到着時および出発時に旅客の体温チェックを行い、体温が38度以上あれば即刻隔離
●MRT(捷運)、バス、タクシー、電車、飛行機に乗車時は、必ずマスクを着用
●ビルに立ち入る際は、入り口で体温チェック(耳で測れる体温計で、耳に入れる部分は使い捨て)
●故宮博物院に入る際は、必ずマスクを着用のこと
●航空便減便など、運航便数の変更
・日本アジア航空(JAA):
=東京-台北線 期間は6/1~6/30 週24便→週14便へ減便(対象便名:EG203、EG209、EG200、EG206)
=大阪-台北線 期間は5/26~6/30 週14便→週7便へ減便(対象便名:EG217、EG218)
=台北-香港線 期間は現在~6/30 ~5/31まで運休→~6/30まで運休(対象便名:EG217、EG218)
・キャセイパシフィック航空(CX):
=3分の1以上の定期旅客便を暫定的に減便する措置を発表
・シンガポール航空(SQ):
=週3便→月曜&木曜の週2便へ減便
=SQ987便は5月1日~5月31日の火曜日は運休、5月15日は運休、6月3日~6月18日の火曜日は運休
=成田-台北線(BR2195):運休は 5/21、5/23、5/26、5/27