文章:吉田 摩弥(All About「ロンドンで暮らす」旧ガイド)
ご存知でしたか?ロンドンは、世界有数の心霊スポットなんです。ドロドロ血なまぐさい歴史を経て今に至る、築200年、300年なんて建物がザラにあるロンドン。「見えちゃう」人には、見えすぎちゃってタイヘン!なくらい、いろ~んな霊が彷徨っているんだそうですよ。
そこで今回は、夏にピッタリの「背筋がゾゾゾ」なコワ~いお話、題して『ロンドン怪奇ファイル』をお届けします!
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拷問マニア必見?! 血塗られたイギリスの歴史をたずねる
多くの怨念が渦巻く、ロンドン塔 |
ここでの拷問は、非人道的極まりない恐ろしさ。地下75メートルの暗闇に閉じ込めたり、小さくかがんだ姿勢でしか入れない小部屋に閉じ込める「小部屋攻め」、ロープで手足をしばり、ジワジワと外側に引っ張られる四つ裂きの刑など、ありとあらゆる手法がとられました。Wakefield Tower内には、「拷問博物館」があり、当時の拷問道具が展示されています。
そして処刑の残虐さも有名です。絞首刑や斧で首を切り落とす斬首刑などは、まだ「生易しい」ほう。大逆罪を犯した者は、馬で市中引き回しの後絞首刑にされ、腹を割かれて内臓は火あぶりに、肢体はバラバラにされて、頭はさらし首……。いくら極悪人(とされた)といっても、こんな殺され方では魂が休まるはずもないですね。
イギリスでいちばんの幽霊スポット
数ある幽霊の中でも有名なのは、「首なし王妃」と言われる、アン・ボレイン(1507~1536)。アンはヘンリー8世の2番目の王妃でしたが、心移りした王に不倫の疑いをかけられロンドン塔に幽閉されました。その後、反逆罪として斬首刑に処せられています。そんな彼女の怨念は、いまでも幽霊としてロンドン塔に現れるのだそうです。チューダー朝の衣服をまとった首なしの女性の幽霊は、夜間の警備兵たちに幾度となく目撃されています。目撃した警備兵の中には、恐怖のあまり精神に異常をきたしたり、病気になったりした人もいるのだそうです。このほかにも、Wakefield Toweで暗殺されたヘンリー6世の幽霊が、毎年5月21日の午前零時ごろに現れるとか、White Towerでは白装束の女性の幽霊が現れて、香水の香りを残して消えるとか……。その名も恐ろしいBloody Towerでは、ここに幽閉されたまま行方不明になった2人の王子の幽霊が何度も目撃されているのだそう。
ロンドン塔は、手っ取り早く(?)たくさんの幽霊に会いたい方にはオススメの場所。拷問道具の展示も、当時の悲鳴が聞こえてきそうでゾッとしますよ。
■ロンドン塔(Tower of London)
所在地: The Tower of London, London, EC3N 4AB
ウェブサイト: www.hrp.org.uk/TowerOfLondon/
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