肉食とはいえ、かわいいタスマニアン・デビル
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現在は、タスマニア島だけに生息しているため「タスマニアン=タスマニアの」と呼ばれていますが、昔はオーストラリア大陸本土にも生息していたのだとか。つまり、デビル達は、どんどん生息域が狭められ、個体数を減らしてきたのです。
彼らにとって、いわば最後の聖地となったタスマニア。
ですが、ここでも再び個体数の減少が始まっています。それは、タスマニアン・デビルだけがかかってしまう、特異な病気のため…。ここのまま放置すれば、タスマニアン・デビルもまた、タスマニアン・タイガーのように絶滅してしまう危機が迫っています。
今、タスマニアでは、タスマニアン・デビルを絶滅の危機から救うため、新たなプロジェクトが始まっています!
≪INDEX≫
タスマニアン・デビルは、なぜ、悪魔と呼ばれるのか?
小型犬くらいの大きさが多いタスマニン・デビル
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地球上最大の肉食有袋類であるタスマニアン・デビル。肉食がゆえ、鋭い歯と骨をも噛み砕く強靭なアゴを持っています。よく見かける口を大きく開いた様子が、いかにも噛み付かれそう…、というイメージからデビル=悪魔と呼ばれるようになった。と考えるのが一般的かもしれません。
しかし、地球上最大の肉食有袋類とはいえ、先にも触れたように大きさは中型犬以下。肉食とはいえ、自分で獲物を襲うことはほとんどありません。彼らは「森の掃除屋」と呼ばれるように、死肉を食べるのが専門なのです。それに、そのかわいらしい顔を見れば、まったく怖い感じはしませんよね?
ならば、それ以外に“悪魔”を連想させるものは何か?
それは、声。つまり、タスマニアン・デビルの鳴き声です。ギョワー、ギョワーと、この世のものとは思えないような、絶叫に近い唸り声を挙げながら走り回る彼ら。もし、悪魔がいたらこんな叫び声なのかも…と思わずにはいられない、ぞっとするほどの恐怖を感じる凄い声の持ち主なのです。
夜の闇に、姿が見えずに響き渡る彼らの恐ろしげな鳴き声を聞けば、誰しもきっと“デビル”の名の由来を納得することと思います。
デビルだけに発症し、100%死に至る病DFTD
餌を奪い合う性質がデビル間の感染を広める
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このDFTDは、デビル達が餌となる肉を奪い合ううちに唾液などから感染してしまうため、DFTDを発症するデビルが増加し、汚染エリアが拡大しています。現時点では、原因は不明とされ、治療手段もありません。ここままでは、本当に絶滅してしまうかもしれないのです。発症例はこちらからご覧いただけます。
次のページでは、現在行われている保護活動と、私達にもすぐにできるタスマニアン・デビル支援の方法をご紹介します。