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バレンタインの真実を追え!(2ページ目)

なんでチョコを贈るの?!バレンタインってそもそも何?そんな疑問に発祥の地イタリアからお答えします。起源やご当地事情、そして、「イタリア人の愛のフレーズ」は何かに役立つかも?

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

バレンティーノ司教殉教の日が2月14日

photo by SAWA valentain
バレンティーノ(バレンタイン)司教はローマ兵士を密かに結婚させたことが、ローマ皇帝の怒りをかい処刑された日が2月14日なのです。
ローマ近郊のテルニ出身のバレンティーノ司教は、結婚できない兵士たちを哀れに思い、皇帝の命に反し、秘密に結婚をさせたのです。ローマ皇帝は、このことに気づくと、バレンティーノ司祭を捕らえ、処刑してしまいました。この処刑の日に選ばれたのが、270年(269年とも言われる)2月14日。バレンティーノ司教は、問題のルペルカリア祭の生贄とされたのでした。この殉教の日をキリスト教で「サン・ヴァレンティーノを偲ぶ日」として定め祭日としました。

当時、キリスト教と新しい教。今まで人々の間に根付いていた宗教観と融合させながら、新しい宗教キリスト教を根付かせる方策をとっていました。ルペルカリア祭もバレンティーノ司教にちなんだ祭として解釈を変更し、その後も続けられたということです。

これが、中世時代にヨーロッパで言い伝えられた春に鳥が結婚するという言い伝えと共にミックスされ、現代のバレンタインデーになったと言われています。


ご当地イタリアのバレンタインデーは?

photo by SAWA valentain
本場ともいえるイタリアでのバレンタインデーは「恋人たちの日」
ご当地イタリアでは、2月14日は「サン・ヴァレンティーノ」と呼ばれ、宗教行事の一環です。またの名を「フェスタ・デッリ・インナモラーティFesta degli innamorati(恋人たちの日)」。愛を告白する日ではなく、恋人たちが愛を確かめ合う日になります。

そして、恋人同士、もしくは夫婦同士など、すでに決まった相手同士でプレゼントの交換をするのが一般的。CDや本、花束などを贈りあったり、一緒に食事に出かけたり、休日となるため旅行を企画するカップルも多く見かけます。独り者にはあまり関係の無い日なんですね。ここでイタリアでの習慣でいいところは、女性からのみ男性にプレゼントをするのではなく、男性から女性にもプレゼントを贈るところ。何しろ、「愛を確かめ合う日」なわけですから。「日本では、女性が男性にチョコレートをプレゼントしながら、愛を告白する日なんだよ。」と言うと、イタリア人は他の国の宗教文化を見事に自国の文化に融合させたそのテクニックはお見事!と驚きます。男性陣は「いいな~」と言いますが。


イタリアでもチョコレートは贈るの?

photo by SAWA valentain
チョコより花束の方が一般的。
2月14日にチョコレートを贈る習慣は、19世紀の中ごろ、イギリスのキャンバリー社が美しい小箱入りのチョコレートを発売したことがきっかけでブームが起こったと言われています。バレンタインデーのプレゼントに「スウィート」なチョコレートを贈るというわけですね。イタリアでは、特にチョコレート云々といった習慣はありません。経験上、花束が多いような気がします。

お土産としても有名な「BACI」チョコレートを発売しているペルジーナ社がバレンタインを意識した商戦をとっているくらいでしょうか。BACI(バーチ)……キスの意味だから、ピッタリと言えばピッタリですしね。

ちなみに、3月14日のホワイトデーもイタリアにはありません。3月8日に、「フェスタ・デッラ・ドンナFesta della donna」という女性のためのお祭があります。この日は、男性から女性にミモザの花束をプレゼントします。


次のページでは日本でのバレンタインデーについて、ちょっと調べて見ましょう。
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