ローマの下町テスタッチオ

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「ダ・フェリーチェ」の店頭で。下町ののんびり風景
世界中のどの街も、安くて美味しい穴場の店があるのって下町じゃありませんか?! ローマももちろん、下町に行けば行くほどウマイ店に当たります。 ローマの下町、といえば代表的なのがトラステベレ、サン・ロレンツォ、そしてテスタッチオ。 テスタッチオは、観光スポットからアクセスがしやすい割にはなぜか今だに観光客の姿は少なく(多分、 ガイドブックで紹介されにくい場所だからだと思います。地図からはみ出ちゃうんですよね)、 ローマらしさが残る下町。

このテスタッチオは「Cuore di Roma(ローマの心)」と呼ばれ、区域全体でセリエA「A.S.ローマ」を応援する ロマニスタばかりが住んでいるような、根っからのローマっ子がいるエリアです。
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テスタッチオは老舗トラットリアの宝庫
下町の老舗のボンが、余裕のある暮らしのために趣味人となるのは万国共通。ローマの下町の老舗のボンらが、 「やっぱ、俺達のテスタッチオって渋いよね」とある種のプライドを持って下町文化を愛し守りつつ、 今の感性に会うようなお店もオープンさせたりしています。そんなわけで、テスタッチオは昨今、 お洒落な夜遊びスポットとして人気の反面、いわゆる老舗のトラットリアもしっかり残り、新旧の「いい店」が集まっているわけです。

そんなテスタッチオの老舗店の中でも、最も名高いトラットリアが今回紹介する「ダ・フェリーチェ」「ローマの最後のトラットリア」と呼ばれる伝説のトラットリアです。

伝説のトラットリア「ダ・フェリーチェ」

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下町食堂の面影があるお店
かつて「ダ・フェリーチェ」は、「予約が取れない」「紹介がないと入れない」と巷でウワサされ、 一見さんお断り的トラットリアとして異質な雰囲気を漂わせておりました。最近、本格的な代替わりをしてから、 ややオープンになり観光客への難易度も低くなりました!

「ダ・フェリーチェ」の開業は1936年。この店の歴史を作り上げた愛称フェリチェッタこと、フェリーチェ・ トリヴェッローニさん(82歳)のおばあさんが、地元の労働者のために近郊のワインを 樽で振舞う「オステリア」として始めたお店。終戦後、厨房を預かるようになったフェリーチェさん。労働者階級を相手に、地元の素材を使い おばあさんのレシピで作るフェリーチェさんの料理は「安くてウマイ」と評判に評判を呼び、 トラットリアとしての名を高めていったのです

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カルチョーフィはローマっ子の大好物なのだ
忙しい主婦が増え、母から子に伝えるはずの家庭料理が伝わらなくなってきたのは、ローマも同じ。「手間がかかるし何しろ本当の作り方がわからない的ローマ伝統的家庭料理」が食べられるこの店は、ローマっ子にとっても貴重な存在。 「あ~おばあちゃんが作ってくれた煮物、美味しかったな~。逝ってしまう前に教えてもらえばよかった!」 そういう味がするのです。 「懐かしい」「この味を覚えたい」とフェリーチェさんの伝統的ローマ家庭料理を食べに、客足が途絶えることはありません。

永久予約席「ターヴォラ・ソシアーレ」って?

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永久予約席「ターヴォラ・ソシアーレ」でフェリーチェさんと一緒にランチ
地元ローマっ子に愛され続ける「ダ・フェリーチェ」には、「ターヴォラ・ソシアーレ」と呼ばれる 永久予約席があります(知ってる人は少ないよ!)。それは、な~~~んと40年余りを毎日通い続ける 仲間のための席なのです。「毎日?」そう、毎日通うメンバーがいるんですよ。

「若い自分にさ、仕事がうまく行ってないときにこの店にくるとフェリーチェが黙って食べさせてくれたんだよね」
義理人情たっぷりのローマ下町物語。かつてフェリーチェさんにお世話になった若者達が、今は立派な紳士になり、 弁護士や建築家もいれば、大きなお店のオーナーもいる。そんな仲間達がお昼に集まってフェリーチェさんを 囲んで食べるテーブルが店の厨房近くにあり、「ターヴォラ・ソシアーレ」って呼ばれてるんだそうです。 いい年をしたおじさん達が、まるで小学校の給食のノリで大騒ぎしながら皆で楽しく食事をする。 すっかり年をとったフェリーチェさんを囲んで。

義理人情に厚いフェリーチェさんと、それを愛する仲間達が通う店。お店の中は和気あいあいとして、 古きよき時代のトラットリアの雰囲気が残されているのです。それが「ローマ最後のトラットリア」と 言われる所以なのかもしれません。

さて、そんな「ダ・フェリーチェ」で何食べる?!次ページへ