世界遺産のバチカン美術館
世界に点在する世界遺産のうち、その半数がイタリア半島にあります。イタリアの首都ローマの一角にあるバチカン市国。世界で最も小さい独立国家のひとつであるバチカン市国は、ローマ教皇が暮らすキリスト教の聖地であり、また芸術的・宗教的に価値の高い建造物や美術品を多く所有しており、市国全体が世界遺産に認定されています。バチカン美術館は、歴代ローマ法王がその財力と権力によって集めた、各時代の最高芸術の殿堂。ローマ法王のプライベート・コレクションを見学することができます。
バチカン美術館の歴史
創設は中世時代、1503~1513年に在位したユリウス2世によって、バチカン宮殿内の「ベル・ベデーレの中庭」に古代彫刻「ベル・ベデーレのアポロン」を配置したことから始まったと言われています。ローマ郊外で発掘された古代美術遺跡や、ミケランジェロやラファエッロなど当時活躍していた芸術家の作品も随時集められ、数百年の歴史を重ねて巨大な美術館へと成長しました。
巨大なバチカン美術館
バチカン美術館は、イタリア語では、「I musei vaticani イ・ムーゼイ・ヴァティカーニ」と複数形で表現されます。それは、コンセプト・時代などによって分類された多数の美術館の総称だからです。「ピオ・クレメンティーノの美術館」、「グレゴリアーノ・エジプト美術館」、「バチカン絵画館(ピナコテーカ)」、そして「システィーナ礼拝堂」など、「バチカン美術館」には、全部で24もの美術館・博物館・ギャラリー・礼拝堂などが近接しています。
展示コースは、なんと全長で7kmにもおよぶため、全部じっくり見たい!となると、1週間通いつめるか、バチカンの職員になるしかありません。
次ページでは、巨大なバチカン美術館周り方のコツをご紹介します。