メルマガ・コラム「ローマの平日」より
（2001年7月27日号「ローマの近所付き合い」より） ◆コラム━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAO TUTTI！COME STATE？皆さん、こんにちは！ 実は、7月になってから引越しをしました（と言っても歩いて１０分のところ）。新しい環境、何が一番大変かって、そりゃーもう、日常の買い物。 特に食料品を買い揃えるのが、ふんとにもう！ひと苦労。「肉屋」「八百屋」「サラミ屋」「チーズ屋」「パン屋」などなど・・。スーパーマーケットもありますが、まだまだこういった個人商店系が幅を利かせているから。 まーたイチから、ご近所に優良店を開拓しなければなりません。
と、いうわけで、自力で開拓しながら、なんとなく満足いかない食生活を送っていましたが、昨日、ご近所に住む女性（齢50くらい）に（半ば強引に）連れられ商店めぐりを敢行。彼女はこのエリアに30年も住んでるそうで、行く店はいつも同じ。そして皆知り合い。
「この子、最近この辺に住み始めたのよーよろしくね！」と、買い物ついでに行きつけの店に紹介してまわってくれました。夕方の忙しい商店の店主をつかまえて、世間話のついでに・・・。世間話・・・夕方の忙しい時間の長ーーーーい立話。「ああ、お客さんが並んでいるのに・・」と私は気が気ではなかったのですが、私の紹介も兼ねてるようだし、ハラハラしながら見守っていました。客の行列がそれはそれは長くなってもおばさんはやめません。店主も気にしてるようで気にしてない様子だし、まあ、いいのか・・・。
徹底的に満足の行く買い物と、日常の鬱憤を店主に吐き出し、そして、かわいそうな外国人の女の子を救済するという任務を果たしたおばさんは、胸をはり次の店へ行列を作りに移動しました。これを繰り返すこと４、5軒。
すると・・・どうでしょう。昨日まで、あわや腐ったモモを売りつけられそうになった八百屋も、冷たくあしらってくれた肉屋も、手のひらを返したように親切になったのでした。セロリやローズマリーをお土産にもらったりして！
小さな「コネ社会」体験とでも言うんでしょうか。 はたまた、ご近所づきあいの極意を見た。と言うんでしょうか・・。 これで、これから私も満足の行くお買い物ができるようになるでしょう。 （ただし、後ろの行列を無視できる強い心臓も必要） グラッツィエおばちゃん！
ご近所づきあいが今もしっかり残っているイタリア。ここは、ローマ、（一応）首都なのにね！
バカンスで1～２週間くらい家を空けるときも、ご近所に鍵を渡して「植木に水やっといて」とか、「ネコの餌、ヨロシクね」なんてことも普通に行われています。昨日、私は隣の人に「砂糖」を貸しました。なんだか「サザエさん」みたい。とホノボノしていましたが、砂糖はまだ帰ってきません。親しさと図々しさの微妙な違いついて、ふと考えてしまうローマの暮らしです。
7月2７日 ローマにて忘れかけてた「昭和」を思い出す
