■ローマからナポリへ さてさて、手に汗握るローマの街なかを抜け、 めでたくtangenziale(環状線)に入った後は、すんなりA1に乗り、 快調にナポリへと車を走らせました。 ナポリまではA1で約220キロの道のり。 バンバン飛ばすイタリア人の運転に紛れ思わず時速150キロ前後を キープ。ほんの1時間半程度でナポリに到着です。
フィアットのウーノなど小さい車に家族をぎっちり満載した車が バッヒューンと横を抜かしていく。 車内はコチラにも声が聞えそうなくらい大いに盛り上っている様子。 よーく見ると、運転席の人も後ろを向いて話に加わってないか・・・? しかもジェスチャー付きで。ああ、南イタリア・・・。 時速180キロ(予想)で飛ばすなら、ちゃんと運転に集中してくれ! 「太陽の高速道路」(←くどい)はその名の通り、 これでもか!というくらい南イタリアの太陽を存分に満喫できます。 ナポリに着く頃にはすでに腕も顔も真っ赤に。 美白を目指している方は、要注意です。
■ナポリの旧市街 ナポリの高速の出口は10数箇所あります。 実際ナポリに向かわれる方は、どこの出口で降りればよいかをしっかりと確認しておくことです。 間違っても「チェントロ(市内中心部)」に降りないように。 そこには、常軌を逸脱した運転で知られるナポレターノが待っています。 車線というものがほとんど存在せず、1車線であろうはずの道路になぜか3台横並びで走っていたり、 信号が変わった瞬間(いや、変わるちょっと前)に発進しないと、 後続車にパパパパー!とクラクションを一斉に鳴されたり・・・と、 ちょっと苦い経験をしてしまいます。 それにチェントロは石畳でガタガタ。 首のすわりの悪い人は、ガクガクして鞭打ちか脳震盪になります。 今回私達は大失敗。夜10時過ぎ、ソレント方面から戻るとき 出口を間違え、この恐ろしいカオスに入ってしまいました。 一方通行の迷宮を夜中にグルグル。 並んだ車からは珍しそうに覗かれ、ウィンクされたりクラクション鳴らしてからかわれたり。 あげく警察官に「あんたたち、何やってんの?!」と止められ、 「窓は閉めて、鍵もちゃんとかけて!早く帰りなさい!!!」と。 そう、ナポリの、特に夜の旧市街で車を運転してる東洋人なんて 皆無。イタリア人でもこの街での運転は避けるというのに!間抜けでございました。 窓から手を突っ込まれてカバンを盗まれたり、運転席から引きずり下ろされたりすることも、 決して大げさな話じゃないって、結構コワーイですよね。
■アマルフィ、ポジターノへ と、いうわけでナポリで運転、はちとキビシイ。ローマから車で南に向かう場合、 ナポリ近郊の少し落ち着いた町を中継点に選ぶのが賢明です。 ソレントやサレルノなら、今、人気大急上昇中のアマルフィ(写真上)、ポジターノへの アクセスとしても便利。 ソレントとサレルノを結ぶ海岸線にこの憧れの地があります。 ナポリから高速道路「A3」でソレント経由、もしくは、サレルノ側からなら「Vietri」という出口で降りて、 ひたすら「amarfi」「positano」の表示を目指せばよいので簡単。 世界遺産にもなっている複雑に入り組んだ海岸線、青い青いティレニア海。 海からの急傾斜に沿って並んだ家々は、 ピンクやクリームイエローの壁が南イタリアの眩しい太陽によく映える。 庭にはタワワに実ったレモンやオレンジ。 断崖絶壁が続くこの海岸線は、その美しい景観も去ることながら、 曲がりくねった細い道が、ドライブコースとしても楽しい。 大型の観光バスも走り、海に落ちそうになりながら、ギリギリの道幅で対向車とすれ違う様子は見てるこっちが もーハラハラ!一歩間違えれば、百メートル近い崖の下へまっさかさま。にもかかわらず、 鼻歌を歌いながら、片手で運転・・・。 「イタリア人ってやっぱり運転うまい!」と思わず叫んでしまう、観光バスの妙技も 一見の価値ありです。いやあ、死んでもアマルフィ海岸を走る観光バスの運転手にはなりたくないです。
■おまけ この海岸線には、カプリ島の青の洞窟に対抗(?)したエメラルドの洞窟があります。 うっすらとエメラルド色に光る洞窟内は神秘的。 青の洞窟よりも内部は広く、5~10mの海底もクリアに見える透明な水の上を 手漕ぎ舟でグルーリと遊覧。ゆらゆら揺れる水の底に沈められた天使やマリア像が不気味な、 この洞窟はポジターノとアマルフィのほぼ中間です。 入り口側では大振りのレモンやオレンジが量り売り(写真右) されてます。
ちなみに、このエリアはイタリア人にも人気の観光地なので、 週末の渋滞はすさまじいので、是非平日を狙ってください。
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