元々は、旅行会社のカウンター向けに作ったシステムだった
リアルタイムオンライン予約サイト「フリーバード」を運営するワールドトラベルシステム株式会社(以下ワールドトラベルシステム)の新井さんに、サイト開設のきっかけなどについてお話を伺いました。ガイド:
「フリーバード」開設のきっかけを教えてください。
新井さん:
今回お話を伺った、フリーバードを運営するワールドトラベルシステム株式会社の新井友明課長 |
「フリーバード」を運営する当社(ワールドトラベルシステム)は、航空会社様から航空券を仕入れて、旅行会社様に卸す、ホールセラーと呼ばれる業務がメインの会社です。
1998年に、当社が持っているデータベース(運賃情報や利用条件など)に、CRS(航空会社の予約システム)を連動させ、インターネットを介して顧客である旅行会社様のカウンターにあるパソコンからアクセスすることで、旅行会社様の従業員が、カウンターに来ているお客様に対し、リアルタイムで格安航空券やPEX航空券の空席と料金を検索することができるプロ用のシステム「SkyRep」の開発に着手しました。
「SkyRep」のシステムを構築している過程で、旅行会社様向け、すなわちBtoBだけでなく、「個人旅行者向け(BtoC)にも転用できるのではないだろうか?」という好奇心が芽生え、旅行会社様向けのシステム開発と並行して、個人旅行者向けリアルタイムオンライン予約サイト「フリーバード」の構想がスタートしました。
個人旅行者向けのシステムは、旅行会社向けのシステムほど複雑ではなく、「SkyRep」より一足早く、2001年10月にPEX航空券専門の「フリーバード」がオープンしました。翌年、2002年7月からはIT運賃(格安航空券)の取り扱いもスタートし、同時に旅行会社向け「SkyRep」システムも稼働しました。日本で初めて、個人旅行客が格安航空券をリアルタイムで航空会社のCRSと連動して予約できるサイトを世に送り出しました。
口コミで広まり、リピーター率が高い
ガイド:サイトを開設して、お客様の反応はいかがでしたか?
新井さん:
「フリーバード」は、元々は旅行会社様向けに作ったシステムを転用したこともあり、旅行会社向けのシステムの本格稼働前の実験的な意味合いもありました。その為、特に大きな宣伝もしませんでした。
旅行会社様向け、つまりプロ用に作ったシステムの転用ということで、最大6都市までの周遊やオープンジョー(成田→ロサンゼルス、サンフランシスコ→成田のような旅程)にも対応しており、複雑な旅程でも、瞬時にスケジュールと運賃、空席情報が表示されることから、スタート当初は、お客様から「本当にこんな複雑な旅程が予約できるの?」と驚かれることが多かったです。一度、「フリーバード」を利用して、自分で旅程を組み立てることが出来る楽しさを知っていただき、2回目以降も利用してくださるリピーターが多くいらっしゃいます。
そしてリピーターのお客様の口コミで、少しずつ利用者が増えてきました。
ガイド:
私も口コミで「フリーバード」の存在を知った一人です(笑)。
インタビューを通して、一番印象に残った言葉は「インターネットでも、馴染みの旅行会社が持てる」という一言。旅行会社のカウンターのように、実際に顔を合わせる機会はないものの、お客様が予約した記録は、全て担当者が確認しているとのことです。インターネットの利便性と人間でなければできない細かい対応によって、航空券のリアルタイムオンライン予約サイトが成り立っているのだと、今回の取材を通して感じました。
【取材協力】
フリーバード
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