パリを拠点に国内、国外に周遊。モデルコース
パリからはフランス国内、ヨーロッパ、アフリカへのネットワークが豊富(写真はマラケシュのバイヤ宮殿) |
フランスのTGV (c) Alex Profit
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そしてフランスは地理的に西ヨーロッパの中心に位置し、たくさんの国と国境を接しています。北はベルギー、東はドイツ、スイス、南はイタリア、スペイン。国境は接していませんが、大西洋を超えればもうそこはイギリス。
加えて、フランスは北アフリカに植民地を持っていた歴史があるので、モロッコ、チュニジアへの航路が発達しています。ヨーロッパとは全く違った文化を持つ北アフリカをこの機会に訪れてみてはいかがでしょう。
パリ東駅からアルザス、ロレーヌ、シャンパーニュへ
ドイツとフランスの文化が混ざったアルザス地方 |
シャンパーニュ地方の中心都市ランスでは、世界遺産である大聖堂や宮殿を訪れた後に本場のシャンパンを試したい。ロレーヌ地方の中心都市ナンシーはアールヌーヴォー発祥の地でありロココ文化繁栄の地でもあります。古くからあるマカロンの元祖、マカロン・ド・ナンシーやキッシュロレーヌなど素朴なお手軽グルメも豊富。
ドイツとの国境が近いことから、ドイツ文化の影響が強いアルザス地方は運河が流れる可愛らしい街並が特徴で、クリスマスにはマルシェ・ド・ノエル(クリスマス市場)が立ち賑やかになります。鉄道では行くことができない小さな村のワインシャトーを巡るツアーもあり、ワイン好きにはおすすめのルートです。
<アクセス>
パリ東駅からTGVでランスまで45分、ナンシーまで約1時間30分、ストラスブールまで約2時間20分、コルマールまで約3時間
パリリヨン駅から南仏プロヴァンス、コートダジュールへ
南仏プロヴァンスの町アルルの旧市街 |
コートダジュール
プロヴァンス
<アクセス>
パリリヨン駅からTGVでアヴィニョンまで2時間40分、アルルまで約4時間、エクサンプロヴァンスまで約3時間
パリモンパルナス駅からモンサンミッシェル、ブルターニュへ
中世の街並がそのまま残るブルターニュ地方の小さな町ディナン© CRTB / BOBROVICH Anatoly |
モンサンミッシェル
参考記事:モンサンミッシェル
<アクセス>
パリモンパルナス駅からTGVでレンヌまで約2時間、レンヌからバスでモンサンミッシェルまで1時間。レンヌから在来線でディナンまで約1時間
【参考サイト】
- Keolis(ブルターニュのバス会社)……レンヌとモンサンミッシェルを結ぶバスの時刻表・値段
- マイバス(現地旅行会社)……パリからのモンサンミッシェルツアー
- みゅう(現地旅行会社)……パリからのモンサンミッシェルツアー
- パリ・シティヴィジョン(現地旅行会社)……パリからのモンサンミッシェルツアー
パリモンパルナス駅からボルドー、バスクへ
2007年に世界遺産登録されたボルドーのリューヌ港© Office de Tourisme de Bordeaux / T. SANSON |
スペイン国境近くのバスク地方では、TGVが停まる中心都市バイヨンヌ、港町サンジャンドリュズを訪れたい。バスク名物生ハムや、辛い煮込み料理ピペラードなど、スペインのエッセンスが入った料理を楽しむことができます。バスク地方はフランスで初めてチョコレートが作られた地としても知られており、ホットチョコレートを泡立てたショコラムソーはバスクならではの名物スイーツです。
<アクセス>
パリモンパルナス駅からTGVでボルドーまで約3時間、バイヨンヌまで約5時間、サンジャンドリュズまで約5時間30分
ユーロスターでイギリスへ
フランスを飛び出しパリから海外へ。このコースで一番ポピュラーなのが、ユーロスターで行くイギリスです。パリの北駅とロンドンのセント・パンクラス・インターナショナル駅を結ぶユーロスターは、所要時間は最短でたったの1時間30分とフランスの地方へ行くよりも早く着くことができます。しかも1時間に1本の割合で出ているのでとても便利。朝一の電車に乗り、夜帰ってくるという日帰り旅行も可能です。ロンドンならではの観光スポットを押さえるもよし、ショッピングに興じるもよし。ポートベロー・マーケットのあるノッティングヒルやカムデンロックののみの市はもちろん、最近人気のエリア、ショーディッチにも足を運びたい。
【参考サイト】
タリスでベルギー、オランダへ
ユーロスターと同じくパリの北駅に発着するタリスは、ベルギーの各都市やオランダのアムステルダムなど、北方面に行くには大変便利な電車です。人気のデザイナーも多数輩出し、フランダースの犬の街としても知られるベルギーのアントワープへはパリから2時間で、運河の景色が美しい水の都ベルギーのブルージュへは2時間30分、そして、花とデザインの街オランダのアムステルダムへは5時間で着くことができます。
ベルギー、オランダは、ファッションやデザインが洗練されているので、おしゃれな雰囲気を味わいたい人には特におすすめの国です。
【参考サイト】
ストップオーバーを利用してスペイン、ポルトガルへ
ヨーロッパのラテン諸国スペインとポルトガルは日本でも人気の旅行先。2016年から成田ーマドリッド間の直行便が再開されたものの週3回と、便数はまだそれほど多くはありません。なので、フランスへ行った際のストップオーバー(途中降機)を利用して立ち寄りたいところです。パリからスペイン、リスボン各都市へは大手キャリアからLCCまで、多くの便が充実しています。個人的にガイドが大好きなスペインは、バルセロナ、マドリッドなどの大都市はもちろんのこと、時間が許せば南のアンダルシア地方まで是非足を延ばしたいところ。グラナダのアルハンブラ宮殿など、イスラム文化が色濃く残り、スペインのカトリック文化と調和する見事な文化遺産が多数存在しています。
ポルトガルはスペインよりのどかな印象。ポルトガルが最も栄えた大航海時代の遺産に圧倒され、世界遺産である彩り鮮やかなシントラの宮殿に感動する。豚肉や干ダラを多く使ったポルトガル料理は日本人好みの味です。
【参考サイト】
旧植民地のモロッコ、チュニジアへ
フランスの旧植民地であった北アフリカのモロッコやチュニジアは、フランスに移民も多いことから、パリだけでなくフランスの各地方都市とのネットワークが豊富。ボルドーからマラケッシュへ、なんていう移動も可能です。北アフリカの魅力はやはり、ヨーロッパ文化とは全く違った生のイスラム文化を体験できること。幾何学的に緻密に装飾されたイスラム建築や、イスラム教に根ざした人々の暮らしぶり、スパイスの効いた料理など、どれをとっても新鮮な驚きに出会うこと間違いなしです。
ちなみに、この地域は商売的に積極的(?)な人が多く、日本人と見れば個人ガイドの売り込みをしつこくしてきたり、時には値段をふっかけてくる人もいて最初はうんざりするかもしれません。悪質な人はクールに無視するのが一番ですが、あまり目くじらをたてずに余裕を持った態度で接すると、そのやりとりがそのうちちょっと楽しくなってきたりするから不思議です。
【参考サイト】
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