フランス屈指の世界遺産、モンサンミッシェルの歴史

モンサンミッシェル

神秘的な姿が美しい(c) ATOUT FRANCE/Daniel Gallon - Dangal

モンサンミッシェルの起源は西暦708年にまで遡ります。隣町アヴランシュの司教サントベールが夢の中でサンミッシェル(大天使ミカエル)のお告げを聞いたことから、この地に教会が建てられることになりました。ちなみに、フランス語で「モン」は「山」。つまり、モンサンミッシェルとは「大天使ミカエルの山」という意味です。

長い工事を経てロマネスク様式の教会が完成したのは西暦1000年より前のこと。以来キリスト教の巡礼地の一つとして数えられています。

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修道院、要塞、牢獄とその機能の変遷にも注目したい

その後11世紀には大聖堂が作られ、修道院が建てられます。12世紀には更に修道院が拡張され、13世紀に入り当時の国王フィリップ・オーギュストからの寄贈により、ゴシック様式の建物が加わります。よってモンサンミッシェル修道院は、ロマネスク様式とゴシック様式が混在する珍しい構造となっています。

また14世紀に起きた百年戦争の間は要塞としても機能。更にフランス革命が起きる18世紀末から19世紀後半にかけてのナポレオン時代には牢獄となるなど、激動の時代を生き抜いてきました。

1966年に修道院が再開して以降、現在では3人の修道士が在住し、9人の修道女が近隣から通い運営に当たっています。1979年には「モンサンミッシェルとその湾」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

 

モンサンミッシェルの地形的特徴

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驚くべき潮の流れの速さ (c) ATOUT FRANCE/R-Cast

モンサンミッシェルは周りが海に囲まれた島となっており、周辺は潮の干満の差が激しいことで知られています。最も大きい潮が押し寄せるのは満月と新月の28~36時間後といわれていますが、普段でも潮の動きが非常に激しく、ガイドなしで海に入ることはとても危険なので禁止されています。

現在は本土と道路で繋がれていますが、19世紀より前は、満潮の際は完全に本土と切り離された孤島となっていました。なので、かつては巡礼者の中には潮に飲まれて命を落とした者もいたといい、彼らの間では「モンサンミッシェルに行くなら遺書を置いていけ」とまで言われていたそうです。

 

モンサンミッシェルの構造

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お土産屋やレストランが集中する賑やかなグランド・リュ

かつて要塞として機能していたこともあり、島は立派な城壁で囲まれています。その内側にはグランド・リュ(大通り)というメイン通りがあり、お土産屋さんやレストランがひしめき非常に賑やかな通りとなっています。

通りをそのままひたすら上っていくと、観光のメインであるモンサンミッシェル修道院にたどり着きます。

島および修道院内は高低差が激しく、散策には上り下りの階段が数多くあります。しかもエレベーターやエスカレーターが一切ないので、かなりの気力と体力が必要。体力に自信がなかったりハンディキャップのある人は、上まで上らずに麓での見学にとどめておいたほうが無難です。

モンサンミッシェル修道院

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奥の中庭から差し込む光とのコントラストが美しい列柱廊

島の頂上に位置する修道院は、モンサンミッシェル観光のいわばメイン。体力に自信があれば、是非とも内部見学をしましょう。日本語オーディオガイドも借りられるので、詳しく知りたい人にはおすすめ。

院内は、礼拝堂や納骨堂、写本を行う騎士の間、迎賓の間、食堂など細かく分かれていて、修道士、修道女たちの生活が垣間見られるようになっています。そしてこの修道院の最大の見どころといえば、3層構成になっている付属教会の北側部分、通称メルヴェイユ(驚異という意味)。ここの中庭の列柱廊は僧侶が瞑想の際に訪れたという神聖な場所で、柱の間から差し込む光がとても美しいので必見です。

<DATA>
abbaye du Mont Saint Michel
住所:Mont Saint-Michel Abbey BP 22 50170 Le Mont-Saint-Michel
TEL:02 33 89 80 00
入場時間:9:00~19:00(5/2~8/31)、9:30~18:00(9/1~4/30)
休館日:1/1、5/1、12/25
料金:10ユーロ、オーディオガイド3ユーロ

 

モンサンミッシェルのグルメ、ショッピング

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塩味の効いた泡立てオムレツはモンサンミッシェル名物 (c) Mere Poulard

モンサンミッシェルでは、よく泡立てられた大きなオムレツ、そして海から運ばれてくる塩分を多く含んだ草を食べて育ったプレサレという味わい深い羊が有名。これらのメニューが食べられるメール・プーラールは、モンサンミッシェルの代表的なレストランです。ですが、お値段は高め、味もそれなり……ですので、あまり内容には期待せず、あくまでも旅の思い出として頂くのが正解です。

ノルマンディー地方は乳製品も名物で、メール・プーラールが経営する向かいのショップでは、地方名物の塩キャラメルやクッキーがたくさん揃っています。パッケージも可愛いので、お土産に喜ばれること間違いなし。

<DATA>
La Mere Poulard
住所:Grand rue B.P 18 50170 Le Mont Saint Michel
TEL:02 33 89 68 68
営業時間:11:30~22:00
定休日:無休
主なメニュー:オムレツとオマール海老、デザートのコース25ユーロ
レストランの様子の動画

■Biscuiterie La Mere Poulard
住所:B.P 18 50116 Le Mont Saint Michel
TEL:02 33 89 02 03
営業時間:9:00~20:00
定休日:無休

モンサンミッシェルへの行き方

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夜や朝のモンサンミッシェルはまた違った顔を見せる

モンサンミッシェルはフランスの北西部にあるノルマンディー地方に属しており、ブルターニュ地方との境目に位置しています。

さすがはフランスが誇る観光地、パリからモンサンミッシェルへの行き方は、さまざまな方法があります。公共交通機関を使って完全に個人で行く場合は、フランス国鉄SNCFが運営する新幹線TGVとバスの利用になります。安い便のTGVを選べば、これが一番安く行ける方法です。

その他朝の集合時間が早いですが、日本語ガイド付きのバスツアーも人気。人数が多かったり、より自由に楽に行きたいという人は、出発や帰りの時間が自由が効く車貸し切りプランもあります。

そして観光客が去った後の、静けさを取り戻す夜から朝にかけての時間帯が実はモンサンミッシェルの醍醐味だったりします。日中とは全く違う顔の、厳かで神秘的なモンサンミッシェルを楽しむために、時間が許せば是非現地で1泊することをおすすめします。

TGV+バスで行く

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道中の名物風景である羊の群れをお見逃しなく! (c) ATOUT FRANCE/Daniel Gallon - Dangal

パリ・モンパルナス駅からブルターニュ地方の中心都市レンヌまでTGVで行き、レンヌからモンサンミッシェルまではバスで行くというルートが、片道3時間で27ユーロからと、最も安く行く方法になります。

日によっては朝早く出て午前中に着いたり、少し遅めの朝に出て午後に着いたりと、何本か便があるので、ゆっくり行きたい人にもおすすめです。

また、バスも合わせてモンサンミッシェルまでSNCF.OUIのサイトでチケット購入が可能です。
Le train du Mont-Saint-Michel(モンサンミッシェルまでの電車)

バスツアーで行く

オペラ周辺で早朝に集合し、片道4~5時間以上かけて行くバスツアー。昼食なし/込みが選べます。

<DATA>
My bus(マイバス)
集合時間:オペラ地区7:10
所要時間:約4時間30分~5時間45分(片道)
料金:1人180ユーロ(往復)

みゅう
集合:ギャラリーラファイエット7:30
所要時間:約13時間45分(往復)
料金:1人84ユーロ(フリープラン)、1人155ユーロ(昼食、日本語ガイド付き)

その他、各種ツアー

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目的やスケジュールに合わせて、心行くまで楽しんで

モンサンミッシェルは人気の観光地ということで、様々なプランが各社から提案されています。貸し切りでゆったりと旅したい、他のノルマンディーの観光地にも行ってみたいなど、希望に合わせてチョイスしてください。

コムデパリジャン
専用運転手とアシスタントによる貸し切り旅行

パリ・シティ・ヴィジョン
モンサンミッシェル1~3日、ロワール古城やノルマンディー地方周遊プランなど、複数あり
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。