フランスのビール事情 ビールは若者に人気

テラス

夏の夕方はアペロする人でテラスが満席に

ワインで知られるフランスではありますが、「アペリティフ」、通称「アペロ」といって、ディナーの前におつまみと一緒に軽くビールやシャンパーニュなどを飲む習慣があります。いわゆる食前酒です。このアペロの存在が、ディナーの時間帯を平均20時と遅くしているのは間違いありません。ビールはカフェやバー、もしくは家庭で、シャンパーニュは星つきのレストランでのアペロとしてよく飲まれています。

ちなみにシャンパーニュはフランスが誇る最高級の発泡ワインですが、こちらは祝い酒として飲まれる習慣が根付いています。例えば、誕生日や結婚式、パーティーなど、おめでたい席には必ずといっていいほどシャンパーニュが出されます。

食事のお供としては、圧倒的にワインが飲まれています。ビジネスマンのランチでさえ、軽く一杯飲むことも。ボジョレ・ヌーヴォーの解禁日や大晦日では普段より多めにお酒を飲みますが、若い人はともかく、日本のようないい年をした酔っぱらいさんはあまり見かけません。皆が皆お酒に強いというわけではありませんが、ベロベロに酔うまで飲むという文化はフランスにはありません。

ビール

ほどよい味わいが人気の秘密

ビールは特に若い層の人たちの間で人気のお酒です。カフェやバーでは夕方の17時から20時くらいの時間帯にビールやカクテルが通常価格の半額になるハッピーアワーを行っている所が多く、大変好評です。特に夏になると夕方のカフェのテラスはビールを飲む人々でごったがえすほどです。

とはいえ、フランスでのビールの消費量は消費税の値上げもあり年々低下しているのも事実で、2014年の一人当たりの年間消費量は約2.3リットルとヨーロッパでは最低レベル。ただ、消費量は減っていますが、消費額は上がっており、量より質を選ぶ消費者が増えているというデータも出ています。ビールもただ飲むだけでなく、味も美味しくて悪酔いしない質の高いものが求められているのです。

人気ナンバーワンの「1664」

フランスの人気のビールといえば、何といってもブラッスリー・クローネンブルグ社の1664です。濃い青地に白い楕円のラベル、4つの赤いリボンが目印です。正式にはフランス語でそのまま数字を読むように「セーズ・ソワソン・キャトル」と言いますが、「セーズ」という通称のほうが馴染みがあります。日本でいうところのキリンビールの一番搾りのような存在です。

ビール

フランス人気ナンバーワンの1664

1664という名前は、このブランドができた年に由来します。ブラッスリー・クローネンブルグ社はドイツとの国境近くのアルザス地方はストラスブールにあり、ビール文化が盛んな地域です。ちなみにビヤホールという意味があるブラッスリーはアルザス地方が発祥です。ブラッスリー・クローネンブルグ社は350年の歴史があり、フランスで最も古い企業のうちの一つで、毎年7億リットルのビールを生産し、フランスのビール生産のうちの40%以上を占めています。中でも1664はフランスのビールとしては世界で最も多く売られているブランドとなっています。

 

ビール

真夏はテラスでビール!(c) Paris Tourist Office - Photographe : Amelie Dupont

フランスではビールを「白」「黒」「ブロンド(金)」などと色で表しますが、セーズはブロンドに分類されます(近年では白やロゼも発売)。クセはないけれど薄くはない、甘すぎず辛すぎず、とはいえビール特有の味わいや香りが感じられる、まさに「ちょうど良い味」。誰にでも受け入れられる味というのが、人気の秘密だと思います。

「アン・ドゥミ・セーズ・シルヴプレ」もしくは「ユヌ・セーズ・シルヴプレ」で「25clのセーズをお願いします」という意味になります。夏のテラスで、もしくは冬のバーで、パリジャンになった感覚で是非オーダーしてみて下さいね。

【参考サイト】
クローネンブルグ 1664

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