フランス/フランスの観光・世界遺産

ゴッホ終焉の地オーヴェル・シュル・オワーズ

オーヴェル・シュル・オワーズは、ひまわりで知られるオランダの画家ゴッホが最期を過ごした場所。紹介された精神科医にかかるために南仏から移住してから死ぬまでの2ヶ月間に70もの作品を描きました。今でも残るゴッホが描いた風景やゆかりの場所を訪ねにパリから電車に乗って出かけましょう。

野口 裕子

執筆者:野口 裕子

フランスガイド

ゴッホが最期を過ごした地、オーヴェル・シュル・オワーズ

オーヴェル

オーヴェルの町役場もゴッホは描いている

パリ近郊にはバルビゾンやモレ・シュル・ロワンなど、画家が住み製作拠点とした場所が数多くあります。都会の喧噪から離れてじっくりと製作し、作品の発表の場として世界の芸術が集まるパリに行くのに便利だったのかもしれません。

オーヴェル

まずはゴッホが住んだラヴー亭に

ひまわりで有名なオランダの画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが最期を過ごした地として知られているオーヴェル・シュル・オワーズもそんな場所の一つ。ゴッホが南仏から移り住み、亡くなるまでの2ヶ月間をここで過ごしました。他にもピサロをはじめコローやドビニーなど、著名な画家たちが暮らした土地としても知られています。今ではのんびりとした田舎町で穏やかな時間が流れるオーヴェルに、ゴッホの作品とともに出かけてみませんか。

オーヴェル・シュル・オワーズとは

オーヴェル

何気ない階段も作品に残されている

パリの北西にある小さな町オーヴェル・シュル・オワーズ(通称オーヴェル)は、ゴッホが最期に過ごし、数多くの作品を残した土地として知られています。南仏で精神病を患っていたゴッホが同じ画家でオーヴェル在住のカミーユ・ピサロの紹介で精神科医ポール・ガシェの住むオーヴェルに移り住んだのは、1890年5月20日のこと。ここからオーヴェル城の裏でピストル自殺をし37歳という若さで亡くなるまでのわずか2ヶ月の間に、70もの作品をこの地で描き上げました。ゴッホが描いた風景や建物が今でも残っており、ファンにはたまらないゴッホ巡礼地となっています。

オーヴェル

観光案内所はドビニー美術館も入る

オーヴェルに着いたら、まずは観光案内所に立ち寄るのがおすすめ。他のどのガイドブックよりも詳しいゴッホ作品のガイドマップが1ユーロでゲットできます。作品の舞台となった場所の地図はもちろん、作品の所蔵場所や他の画家が描いた場所も詳しく載っています。この地図を頼りにオーヴェル散策をすると効率の良い旅ができますよ。

ゴッホの作品の舞台は主にオーヴェル駅周辺に集まっており、さらに徒歩で10~15分行った地域ではゴッホの他セザンヌやドビニー、ルソーなどが描いた場所が点在しています。半日ならオーヴェル駅周辺のゴッホ作品の舞台、まる一日かけるならその先の地域までカバーできると思います。

オルセー美術館で見られる絵画の舞台があるので、ここを訪れる前か後にオルセー美術館で作品を鑑賞すると感動が倍増しますよ。

<DATA>
■オーヴェル観光案内所 Office du Tourisme d'Auvers
住所:Parc Van Gogh 38 rue Charles de Gaulle 95430 Auvers-sur-Oise
電話:01 30 36 70 30
E-mail : catherine.galliot@tourisme-auverssuroise.fr
営業時間:水~日曜の9:30~12:30/14:00~17:00(4月は18:00まで)
定休日:月曜、12月25日、1月1日

オーヴェル・シュル・オワーズへの行き方

オーヴェルへはパリから電車で行くことができます。パリ北駅から在来線TransilienのH線Pontoise行きに乗り、終点PontoiseでCreil行きに乗り換え、Auvers sur Oiseで下車します。乗車時間は約1時間10分です。

パリ近郊線Transilienのサイト
※始点Gare de Paris Nord(パリ北駅)終点Auvers sur Oiseで検索すると時刻検索できる。

オーヴェル・シュル・オワーズの見どころ1 ラヴー亭

オーヴェル

ゴッホの簡素な部屋を再現

観光案内所で地図をゲットしたら、いざ観光開始です。まずはゴッホが死ぬまでの2ヶ月間下宿していたラヴー亭へ。1階がレストランとなっているこの建物の3階の屋根裏部屋でつつましく暮らしていたゴッホ。現在も彼が住んでいた部屋が残されており、椅子があるだけの驚く程簡素なインテリアが再現されています。

1階のレストランは現在も営業しています。周辺には食事ができる所もそう多くないので、こちらでゴッホに思いを馳せながらランチやディナーを楽しむのもいいですね。

<DATA>
■ラヴー亭 Auberge Ravoux Maison de Van Gogh
住所:Place de la Mairie - B. P. 40001 - F 95430 Auvers-sur-Oise France
電話:01 30 36 60 60
Email : info@vangoghfrance.com
時間:3~10月の水~日曜の10:00~18:00
料金:6ユーロ

■レストラン
営業時間:12:00~14:45(3~11月の水~日曜)/19:30~21:00(3~11月の金・土曜)

オーヴェル・シュル・オワーズの見どころ2 オーヴェル教会

オーヴェル

オルセー美術館所蔵の「オーヴェル教会」 (c) M. Prunevieille/CRT Paris IDF

駅から北方向に進むとオーヴェル教会に着きます。ここはゴッホが描いた教会として有名で、作品はオルセー美術館に展示されています。是非絵と同じく後ろから見てみてください。作品のパネルが展示されているので、実物と比べてみると面白いかもしれません。

<DATA>
■オーヴェル教会 Eglise d'Auvers sur Oise
住所:Place de l'Eglise, 95430 Auvers-sur-Oise
電話:01 30 36 71 19
Email : accueil@paroisse-pontoise.fr
時間:木曜の17:00~18:30、土曜の10:00~12:00(内部見学)
無料

オーヴェル・シュル・オワーズの見どころ3 麦畑と墓地

オーヴェル

ゴッホが眠る墓 (c) Pascal Greboval / CRT IDF

さらに北に進むとゴッホが描いた麦畑があり、その先にはゴッホと、彼が死ぬ最期の時まで支え続けた弟のテオが眠る墓地に到着します。

何もなくだだっ広い麦畑を通り、隣同士仲良く眠っているゴッホ兄弟の墓地の一帯にはただただ平和な時間が流れています。

 

オーヴェル

このオーヴェル城の裏でピストル自殺した

その他オーヴェルの町役場や観光局からほど近い階段など、何気ない風景をゴッホは描き作品として残しました。そして散策の最後にはオーヴェル城にもぜひ足を運んでください。現在は印象派美術館となっており、手入れの行き届いた庭園も見どころですが、この城の裏にあるベルトレ通り(Chemin des Berthelées)でゴッホは自ら胸に銃弾を撃ち、自宅で苦しんだ末2日後に亡くなりました。ゴッホが見た最後の景色をぜひ目に焼き付けてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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