日本料理にはさまざまな区別のしかたがあります。たとえば地方によって分けられる代表的なものに関東と関西とがありますが、あの味付けの違いの根底にあるものは、
【関東料理】.....武士によって育った料理で故に味が濃厚で色が濃い。
【関西料理】......公家(京都)、商家(大阪)によって育った料理で、優雅で淡味、材料のもち味を尊ぶ。
上の二つがあまりにもメジャーなので、日本の料理をこの二つに納めてしまいがちですが、他に、
【各地の郷土料理】........昔は交通が不便なものだから、他の地区との交流も少なくて、その土地の産物や気候等によって独自の料理が生まれ、代々子孫へと受け継がれていった。(越中富山の薬売りだけが唯一の情報源!な時代もありました)
≪その薬売りですが、私が子供の頃、家の空いてる部屋を富山の薬売り人に貸していました。薬売りは、その部屋に半年に1度、10日間ほど住んで、近隣の市町村を回っては、薬の入れ替えをするのですが、薬は、なんと、部屋にずっと置いてあったのです。新品と取り替えるのではなく、ぐるぐる回してただけなんですよ。今の時代にそんな事したら罪になりますよね。古き良き時代とは、なんとも恐い時代でもあったという、古いお話でした。≫
関東と関西以外の土地を、全部ひっくるめて郷土料理としてしまうのもちょっと乱暴ですよね。ビートルズもポールアンカもプレスリーも、オールディーズと呼ばれてると知ったときはショックでした。(関係なかったですね)
でも、不思議なもので、全く違う土地でも、例えば山間部どうしだったりすると、似たような料理が栄えます。少しづつ名称は変わっていても、同じ系統の料理って結構あります。反対に、その土地に住んでる者にとっては、ごく当たり前の食べ物なのに、他地区の人から見ると非常に珍しい食べ物で、会話の中で相手に驚かれて、初めてその珍しさに気が付く、ということもしばしばです。
「弁慶めし」は冷ご飯をおにぎりにして網で焼いて甘味噌をつけて焼いたものですが、信州や岐阜の五平餅に似ています。「えご」は海草で作られるトコロテンよりざらっとした舌触りの食べ物ですが、福岡の「おきゅうと」と殆ど同じようです。
その他にも笹の葉など、葉っぱを利用した料理や芋類をつぶして団子にする料理など、挙げれば数限りありません。
それぞれの郷土の味を伝えて行くのは私達です。皆様どうぞ、ご両親や地域のお年寄りが元気な内に、しっかり教わっておいて下さいませ。
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※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。