ガーデニング・園芸/ガーデニング関連情報

21世紀のオープンガーデン考(3ページ目)

最近、日本でも広まりつつあるオープンガーデン。その歴史から、現在の問題点など、日本におけるオープンガーデンのあり方を考えてみました。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

私も庭づくりを始めた頃、下を向いて黙々と作業をしていたら、ふと人の気配が…?顔を上げたら、すぐ脇に見知らぬ男性が立っていて「何してるの?」と!それはこちらのセリフですよね(苦笑)。それも道路から庭の奥まで入ってきていたのですから、余計にビックリです。

「プライバシー」という問題点のほかに、近所・近隣への配慮という点も公開を躊躇させる要因となっています。日本の道路・交通事情はお世辞にも良いとは言えず、例えば「○月○日オープンガーデン」という情報により大勢の人たちが車で押しかけたとしたら、ご近所では時ならぬ渋滞が発生したり、違法駐車に迷惑するかもしれません。
中には臨時に駐車場を準備される庭主もいらっしゃいますが、住宅街の中ではそれも難しいことでしょう。そんな事情を打開する一つの策として、バスツアーという企画を設けている会もあります。ただこの企画にしても、大きなバスでは狭い住宅街の道路には入れない、一度に大勢の人が庭に入るとゆっくり見ることができない等の問題が出てきます。マイクロバスを使う、一度に回る人数を絞るなど、いろいろなことを考えなくてはなりません。


庭を公開される方は、「キレイですね」の賛辞の言葉が唯一の報酬となります。見る側は庭主に対して最大限の敬意を払うべきだと考えます。
また、感謝と感動の気持ちを「募金」という形で示すことを掲げている会もあります。ボランティアで庭を公開していただいているのですから、見る側も同じ精神で返す…そんな意味でも理にかなったことだと思います。惜しみないご協力をお願いしたいものです。

オープンガーデンはただ単に「自庭を公開する・他所の庭を見る」というものではありません。庭主にとっては、「丹精こめた庭を世の中に公開するステージ」であり、また「庭を通して地域の人々や同じ趣味を持つ人々との交流を楽しむ場」でもあります。見る側にとっては、庭主同様コミュニケーションの場であり、「ガーデニングに関するアイディアや情報を仕入れる場」ともなります。

日本に芽生えはじめた「オープンガーデン」の輪。まだまだ試行錯誤が必要ですが、是非「良い前例」を作り、輪を広げていって欲しいと思います。私も「オープンガーデン」のカテゴリに、全都道府県のオープンガーデンの会をご紹介できる日を夢見ています。



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