ガーデニング・園芸/ガーデニング関連情報

21世紀のオープンガーデン考(2ページ目)

最近、日本でも広まりつつあるオープンガーデン。その歴史から、現在の問題点など、日本におけるオープンガーデンのあり方を考えてみました。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

冒頭でも述べましたが、今までの日本の庭は塀や生垣に囲まれたものでした。
一般の個人住宅では、庭は家人が楽しむもので「人に見せる」という考えはあまりなかったと思います。ましてや見ず知らずの人が庭に入るなど、考えられなかったことでしょう。
それが「ガーデニング」という、これもいわば海外の文化により、庭だけでなく考え方も変わってきているのです。

かつては庭先で一人「園芸」と称して花や木を愛で、たまに通りかかる近所の方の「キレイにしてますね」という言葉が励み…。いえいえ、囲われた庭では美しく咲かせた花も、誰にも気づかれず散っていたかもしれません。

それがここ何年かの間に、ガラリと様変わりしました。
ちょっと気をつけてあたりを見回して歩くと、駅前には商店街が飾ったのでしょうか、ハンギングが風に揺れ、路地を曲がると病院の前に華やかな寄せ植えが飾られ、個人の玄関前にも様々なコンテナが並んでいる風景がそこかしこに見られるようになりました。
そんな様子からは、ひところ言われた「ガーデニングブーム」ではなく、花や緑を育てる喜び・見る喜び・見せる(楽しんでもらう)喜びというのが定着しつつあるのが伺えます。これからは、単なる物真似でない「日本のガーデニング」という形ができてくるのでは、と期待しています。


ちょっと話しがそれましたが、ガーデニング自体が定着しつつあるとはいえ、庭を公開することに抵抗のある方は多いと思います。
事実、私もホームページ上では自庭を公開していますが、会に参加した当初はやはり、一般公開のオープンガーデンというのには躊躇がありました。

公開する側の不安というのは、プライバシーに関わることが大きいと思うのですが、その点は各団体「見る側のマナー」というのを提示しているようです。
例えば、「家やトイレなどプライベートな場所へは原則として入れないものと考えましょう。(オープンガーデンいわて・お庭の公開日をつくろうの会)」、「公開日以外に無断で庭を覗いたりするのはマナー違反です。(オープンガーデンいわて)」、「子供を庭内で遊ばせないで下さい。(伊豆オープンガーデン)」、「他の鑑賞者や生活している人たちの迷惑にならないよう、静かに鑑賞しましょう。(小布施町のオープンガーデン)」など。



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