ガーデニング・園芸/ガーデニング関連情報

21世紀のオープンガーデン考

最近、日本でも広まりつつあるオープンガーデン。その歴史から、現在の問題点など、日本におけるオープンガーデンのあり方を考えてみました。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

オープンガーデン、まずはこの言葉の意味から紐解いてみましょう。
和英辞典で調べたところ、ガーデンは「庭」、オープンには「開いた、開いている、始める」などのほかに、「公開の」という意味がありました。
今回考えるオープンガーデンとは、「公開の庭」、「庭を公開する」という意味です。

昨今の住宅・エクステリア業界では「オープンガーデン(開いた庭)のある家」とか「オープン(開けた)外構の家」などという使われ方をしたりもしますが、ここでの「オープン」は、今までの日本の「塀や生垣に囲われた庭」、つまり「クローズ(閉ざされた)」に対するオープンであり、本来のオープンガーデンとは意味合いが違ってきます。


オープンガーデンの歴史は英国から始まります。
1927年設立の「The National Gardens Scheme Charitable Trust(ナショナル・ガーデン・スキーム、以下NGS)という慈善団体が、個人庭園などを一般の人々に公開し、それに関わる収益を看護・医療など公益団体に寄付するという活動によります。

この一般公開される庭に関する情報(公開日・連絡先・入場料など)を一冊の本にまとめたのが、「GARDENS OF ENGLAND AND WALES」。表紙の色にちなんでつけられた通称は、イエローブックです。
年一回発行されるこのイエローブックに載るにはNGSの厳しい審査があり、更に自分の庭がチャリティーに役立つということから、イエローブックに掲載されることは庭主の誇りとなっています。
これが、本場イギリスでのオープンガーデンの概要です。


では、最近増えつつある日本のオープンガーデンの現状はどうなっているのでしょう?
70年以上の歴史を持つイギリスに比べますと、まだ日本の活動は始まったばかりです。
「おすすめリンク集」のカテゴリ「オープンガーデン」では、現在WEBページを持つ団体についてご紹介していますが、どの団体においてもその試行錯誤ぶりが伺えるものとなっています。
素敵な庭を見かけたら、庭主に公開していただけるよう交渉・説得する、など地道な活動も必要となっています。



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