引越しで職を手放す
仕事はめぐり合わせ? |
月一度、出版社で打ち合わせるだけで、あとはすべて在宅での作業でした。「子どもが小さかったので、在宅での仕事はありがたかったです。それに月10万円程度の副収入もあり、報酬をもらえる喜びは大きかったですね」。
しかし、その仕事に就いてわずか半年足らずで、地方に引っ越すことに。月1度の出版社での打ち合わせに行くためには、往復5万円位の航空運賃がかかってしまいます。引越し先では身内も知り合いもいないため、子どもを預けるには、さらに1万円以上の出費を覚悟しなければなりません。「結局……、やめました。採用に喜んで、そしてまた無職に戻ってしまって。空しいばかりです」。
せっかく築いた人間関係
光陰矢のごとし |
大人も子どもも、友人関係を築くまでに長い時間を費やすのとは反対に、別れはあっさり。引越し後しばらくはメールのやりとりがあっても、子どもの成長とともに環境も変化。共通の話題が見つからずいつの間にか疎遠になってしまうことが大半、といいます。
「何のための引越しだったのか、友人を作って別れるためだけに行ったのかと思ってしまうことも」とDさん。引越し先で気になるのは人間関係。ただ、それ以外にも文化、歴史に触れたり、そこでしか味わえない何かを経験しないことには、時間だけが過ぎていったということにもなりかねません。
引越しは新たなスタート。自分をリセットできる絶好の機会でもあります。一方、引越しで失ってしまうものも多いもの。少しでも得るものが多かったと思えるよう、前向きな気持ちを持ち続けたいものです。