一人暮らしは、生活スタイルや食事のペースが人によってまちまち。自分に合った方法で美味しいご飯生活を送りましょう
「要は、炊飯器で炊けばいいだけじゃないの?」。確かにそうなんですが、一人暮らしでは、少しだけご飯を炊きたかったり、炊いたご飯が余ってしまったり、急に忙しくなってお米を炊く機会が減ってしまったりするなど、ちょっとした悩みがあることも。
ご飯を炊くのに便利な調理器具や、もっと美味しく炊ける方法、またお米やご飯の保存法など、一人暮らしに役立つ情報をお届けします。
炊飯器に圧力鍋、土鍋…あなたは何で炊く?
ご飯を炊くのに使える炊飯器だけではありません。美味しく炊くのはちょっと技術がいりますが、普通のお鍋でだってもちろん炊けます。そこで、一人暮らしにおすすめのご飯を炊くための調理器具をピックアップしてみました。■炊飯器
場合によっては他のものの方が美味しくご飯が炊けることもありますが、ご飯を炊くなら、まずは炊飯器。ないと不便な、できれば持っておきたい調理器具のひとつです。炊飯器ひとつでお手軽に料理を作ることもできます(参考『初めての炊飯器料理 』『炊飯器で作る煮物・おかず』)。
○ 火加減不要
これは炊飯器の最大のメリット。スイッチを押したらあとはほったらかしでもご飯が炊けているのは、やっぱり便利です。
○ タイマーで指定の時間に炊き上がる
忙しい一人暮らしには嬉しい。寝ている間、仕事に行っている間にも炊き上げてくれているので、時間の節約になります。
× 時間がかかる
炊飯器ではスイッチを押してから炊き上がるまでに約1時間程度かかります。直接火にかけて炊いた方が早いことも。
× 電気代がかかる
炊飯器の保温には思ったよりも電気代がかかっています。また、一人分程度の少量炊く場合は、土鍋でガスを使った方が節約になることも。
× 一人暮らし向けの低価格炊飯器は味がイマイチなことも
3合炊き程度のマイコン炊飯器は1万円もせずに手に入りますが、値段が高いIHと比べると、味が落ちることも。また一食分だけ用意するなど、炊飯器に対して炊く量が少量すぎると、味が落ちることがあります。
■土鍋
土鍋で炊くのは難しいと思っている人もいるかもしれませんが、案外簡単です(参考記事『少量なら100円土鍋で炊飯!』)。
○ 一人分炊くのにちょうどいい
炊飯器で少量のご飯を炊くのは、経済的でない上にあまり美味しくありません。一食分程度炊くなら、土鍋の方が早い上に味も良いです。
○ 美味しい
土鍋を通じた熱がお米を芯までふっくらとさせ、蒸らしたときに水分を上手に逃がすため、ツヤツヤに炊き上がります。おコゲができるのも嬉しい。
○ そのままテーブルに出せる
お茶碗によそわずに、そのままテーブルに出してもオシャレに見えます。
× 火加減や時間を気にしなくてはいけない
途中で火を弱めるなどの時間と火加減が必要ですし、ガスを使うので、目を離すことはできません。忙しいときには面倒。
■圧力鍋
一人暮らしでは持っていないという人も多いかもしれませんが、料理の幅を広げ、調理の時間を短縮する便利なキッチンアイテム。ご飯を炊くのにも使えます。
○ 短時間で炊ける
炊飯器・土鍋に比べると、加圧と蒸らし合わせて、約15分で炊き上がってしまいます。
△ 味や見た目の好みが分かれる
圧力鍋で炊いたご飯は水分が多めでもっちりとした炊き上がりになります。また、色がやや灰色がかることも。これが好きか嫌いかは賛否両論。
× 火加減や時間を気にしなくてはいけない
炊飯器同様、時間と火加減が必要。また、ガスから目を離すことはできません。忙しいときには面倒。
■電子レンジ炊飯器具
あまり料理をする機会のない一人暮らしには使いやすい、電子レンジで炊飯ができるキッチンアイテム。ご飯だけでなく、その他煮物など調理に使えるというものもあります。
○ 短時間で炊ける
商品によりますが、指定された量の米と水を入れて電子レンジで、15分前後で炊き上がります。
○ 一膳分で炊ける
一膳分から1合程度まで炊けるので、一人暮らしにはぴったりのサイズです。そのまま食卓に並べられる茶碗や土鍋といったオシャレなデザインのものも多くあります。
○ 火加減が不要
土鍋や圧力鍋のように火加減を調節する必要はなく、電気なので、その場を離れても安全。
× きちんと料理する人には物足りない
一人暮らしには嬉しいメリットばかりではありますが、自炊派には物足りないことも。また、お客さんなどがあるときには不便です。
美味しさの秘密は『蒸らし』にアリ!
しっかり蒸らすことが美味しく炊き上げるコツ。すぐに食べたい気持ちはわかりますが、そこをぐっと我慢
炊き上がったあと、すぐに食べるのではなく、ふたをしたまま10~15分ほど、しっかりと蒸らすようにしましょう。蒸らすことで、芯までふっくら、もちもちとした仕上がりになります。
ただし、基本的に圧力鍋なら蒸らしは不要。また、最近の炊飯器は炊き上がりに、蒸らしの時間まで含まれていることがほとんどです。説明書を確認し、その手順に従うようにします。電子レンジ炊飯器具の場合も、蒸らしの要不要や時間については、説明書を確認してください。
蒸らしが終わったら、しゃもじで底からしっかりと、全体をほぐすように混ぜます。蒸らしっぱなしにしていても、ベトベトしたご飯になってしまうので、注意が必要。食べきれず残ったご飯はそのままにしておかず、できるだけ早く冷凍保存してしまうのが、あとでも美味しく食べられるコツです。
お米+αで、ご飯をもっと美味しく
ご飯の美味しさは、水でも大きく変わります。どうしても美味しいご飯を食べたいときは、奮発して良い水を使ってみましょう
■ミネラルウォーターを使う
ご飯の美味しさは、お米そのものの味もありますが、お水によるところも大きいです。お米をふっくら柔らかくするには、軟水のミネラルウォーターがおすすめです。お米を研いでいるときから水を吸収しますので、ベストな方法は研ぐ水もミネラルウォーターを使うこと。でも、これはさすがにモッタイナイですね。
■炭を入れる
炭には汚れを吸着する効果があると言われています。そのため、ご飯を炊くときに一緒に入れておくと、米や水の汚れを取り除き、匂いや色をよくしてくれます。また、炭のミネラルが溶け出して、味も美味しく。備長炭や竹炭がおすすめ。ご飯が黒くなることはありません。
■日本酒を一垂らし
日本酒を一垂らししてから炊くと、臭みが消えて、美味しく炊き上がります。また、土鍋などで炊いたとき、芯が残ってしまったら、日本酒を少し加えてよくかき混ぜ、もう一度炊きなおすと、芯が消えて、ふっくらとしたご飯に戻ります。
■サラダ油を数滴
安いお米、古いお米に効果的。炊き上がりがツヤツヤして、上等のお米を使ったように。垂らしすぎは油っぽくなりますので、ほんの1、2滴でOKです。
■お塩をひとつまみ
美味しくないお米を買ってしまったときや、白米だけでは味が物足りないとき、ひとつまみ塩を加えて炊くと、ちょっと満足感のある味になります。いわゆるお米の味をよくする方法とは違いますが、食欲もそそられる裏技です。
最後まで美味しく食べる。お米の保存方法
お米を買ってきても、すぐには食べきれない一人暮らしなら、冷蔵庫保存が◎
■お米は高温多湿、直射日光が苦手
お米が美味しく食べられるのは、精米日から夏場なら半月程度、冬場でも2ヶ月程度と言われています。長く置いておくと劣化して味が悪くなるのはもちろん、割れやすくなったり、虫が涌くことも…。特に暑さや湿気、直射日光に弱いので、日差しが当たるような場所や湿気の多いシンク下などは避けるようにしましょう。
まだまだ暑いこの季節は注意が必要です。一人暮らしなら、割高でも2kg程度の小さな袋を買って、早めに食べきることを心がけます。
■米袋、米びつの中、大丈夫?
お米を買ったあと、米袋のままで保存していたり、米びつに移し変えたきり忘れていたりしませんか。米袋には小さな穴が開いていて、そこから湿気が入ってきてしまったり、また米びつもきちんと手入れをしないままでは汚れや虫の原因になります。(参考記事:All About[節約・やりくり] 安い米も美味しく食べる【1】)
忙しくて自炊をせず、しばらくお米を開けてもいないうちに、気がついたら虫だらけ!!!…なんてことになると、その処理も大変ですし、その後しばらくお米を食べるのがイヤになってしまうかも(実は、これ、私の経験談でした…)。
■なかなか食べきれないなら冷蔵庫へ
一人暮らしではお米が余ってしまうのもよくあること。美味しい期間に食べきれないと思ったら、冷蔵庫で保存しましょう。特に野菜室がおすすめ。ペットボトルやタッパー、ふたのできる缶瓶など、きっちりと密閉できるものに入れておきましょう。
■炊いたご飯は、すぐに冷凍
ここまではお米の保存方法でしたが、たくさん炊いて余ってしまったら、すぐに冷凍保存を。電子レンジで解凍すれば、またふっくら美味しく食べられます。時間のある休日などに多めに炊いておくのも便利。
特に炊飯器に入れっぱなしというのは、水分が蒸発して美味しくなくなる上に、電気代も無駄になります。ご飯の冷凍方法については、『お米・パン・パスタ・麺の冷凍保存』を参考にしてください。
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一人暮らしだと量が少なかったり、毎日炊く必要はなかったり。日本人の主食とはいえ、自分なりの方法を見つけるまでは面倒なことも。この記事が、そのお役にたてれば嬉しいです。
ちゃんと自炊は面倒でも、美味しいご飯さえあれば、インスタントのお味噌汁に納豆をつけるだけできちんと朝ご飯。お惣菜を買ってくれば、夕ご飯にもなります。外食やお弁当よりも、健康的で節約にもつながる生活に一歩近づけますよ。