一人暮らし/一人暮らしの部屋探し

不動産会社と上手に付き合うコツ

一人暮らしの部屋を見つけるときのの心強いパートナーとなってくれるのが不動産会社です。不動産会社とはどんなところなのか、また不動産会社とはどんなやりとりをするのか、初めての部屋探しでもよくわかるように情報をまとめました。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

上手に付き合って、失敗のない部屋探しを

不動産会社

部屋に関する情報をたくさん持っているのが不動産会社。上手に付き合うことが良い部屋探しへの近道です

部屋に関する情報をたくさん持っているのが不動産会社。上手に付き合うことが良い部屋探しへの近道です。

「無理やり部屋を勧められた」「手付金を返してもらえなかった」などの噂を聞くこともあり、なんとなく悪いイメージを持っている人もいるかもしれません。残念ながら、そういったケースが稀にあることも事実ですが、すべての不動産会社が不当な営業をしているわけでは決してありません。上手に付き合って、失敗のない部屋探しをしましょう。

間取図の見方や契約までの流れなど、その他の部屋探しの情報は、「部屋に求める条件を考えよう」「賃貸広告・間取図の見方を知ろう」「部屋の下見に行ってみよう」「賃貸契約の流れと注意点を知ろう」にも紹介していますので、併せてご覧ください。


不動産会社の基礎知識

不動産会社

ひとえに不動産会社といっても、それぞれに特徴があります。知っておくと、安心!

ひとえに不動産会社といっても、扱う物件や得意な分野はそれぞれ。どこでもいいというわけではありません。自分に合った部屋を探す良きパートナーを見つけるために、まずは不動産会社について知っておきましょう。

■ 不動産会社にも種類がある
不動産会社を選ぶときにチェックしておきたいポイントは、まず「取引様態」です。「貸主」「代理」「仲介(媒介)」の3種類があり、よくある不動産会社のほとんどは「仲介」を主としています。

・貸主…物件の持ち主。不動産会社が自社で所有する物件を賃貸する。
・代理…貸主本人に代わって、不動産会社が物件の入居者と契約を結ぶ。
・仲介(媒介)… 貸主から依頼された物件を賃貸する。

これにより異なるのが仲介手数料の有無です。貸主から直接部屋を借りれば仲介手数料は不要ですが、実際に出回っているのは、仲介物件がほとんどというのが現状です。

また、「仲介」の中でも注意しておきたいのが、「専任」かそうでないかという点です。専任ならば、ある物件をその不動産会社しか扱っていません。専任でなければ、物件を複数の不動産会社が扱っているため、自分が訪れた不動産会社以外から先に契約をされてしまうことも考えられます。

■ 免許番号に注目する
不動産会社には、次のような「宅建免許番号」が掲げられています。

東京都知事(1)12345号

免許番号のカッコ内の数字で何度免許の更新を行ったかがわかり、これを見れば何年くらい不動産業を営んでいたのかが分かります。免許の更新は5年に一度なので、この番号が大きいほど営業年数が長く、信頼度を測る目安にもなります。

■ 得意分野を見極める
「シングル向けの物件が多い」「事務所や店舗を中心」「ファミリー向けの物件に強い」など、不動産会社によって得意分野を得意はそれぞれです。

不動産会社選びのひとつの目安として、主要な場所に何店舗もある大手なら、広範囲で物件を探すことが可能ですが、駅前などにある地域密着型なら、地元の情報に詳しく穴場物件を扱っていることもあります。

遠方からの部屋探しで土地勘がない場合や広範囲で部屋探しをしたい場合などは、主要駅に支店のある大手の不動産会社がおすすめ。ネットワークを駆使して、広い範囲で部屋探しをしてもらえます。一方で、住みたい駅や地域がピンポイントで決まっている場合は、地域密着型の不動産会社を利用すると、掘り出し物件が見つかることがあります。

初めての部屋探しの場合は、できれば一社だけでなく数社と連絡をとり、自分の希望に合致する物件を取り扱っているか、また信頼できるかなどを見極めながら、不動産会社を選びましょう。

次に、不動産会社とのやりとりの流れについてご紹介します。部屋を借りるまでの流れを理解しましょう。


不動産会社とのやりとりの流れ

物件検索サイト

自分の希望に合う物件を扱っている不動産会社を探すには、物件検索サイトが便利です。利用してみましょう

いよいよ不動産会社回り。部屋探し本番です。実際に足を運ぶ前に、訪問時の注意点や契約まで流れなどを把握し、気持ちに余裕を持って部屋探しをしましょう。

■STEP1 物件検索サイトで調べる
どんな不動産会社があるのかわからないときや、自分の挙げる条件が現実的なものか判断したいときには、直接不動産会社へ行く前に、物件検索サイトや住宅情報誌で下調べしておくのがおすすめです。(参考ガイド記事:部屋に求める条件を考えよう

自分が住みたい地域の相場や取扱物件の傾向、また自分が求めている物件を多く扱う不動産会社などをチェックすることができます。

■STEP2 不動産会社にメールもしくは電話で問い合わせる
物件検索サイトや情報誌で、自分の条件に合う物件を見つけたら、サイトの問い合わせページやメール、電話から連絡をします。その際に必ず伝えたいのは、次の点です。

・「○○(情報誌またはサイト)で見た××の部屋についてお伺いしたいのですが」と目的をはっきりと告げる。
・間取り図等の詳しい資料を送ってもらえるのかを確認する。
・下見をすることは可能かを確認し、下見の日程を打ち合わせる。
・担当者(もしくは電話対応者)の名前を確認する。

インターネットやメールは時間を気にせず問い合わせできて便利ですが、相手からの返事を待たねばならず、何度もやりとりをしないと詳細が決められなかったりと、急いで部屋を探さなければならないときには不向きです。

電話だと直接相手と話をすることで、その場で詳細を詰められるだけでなく、その不動産会社の対応から相手の熱意を判断することができます。電話口で無愛想だったり、「店舗に来てください」というだけで、その時点で具体的な話を進めようとしなかったりするような不動産会社であれば、要注意。その後もお付き合いが続くことを考えると、気持ちよく話ができる不動産会社の方が安心です。

■STEP3 不動産会社を訪れる
間取図などの物件情報で希望に合う部屋が見つかったら、下見をさせてもらうために不動産会社を訪れます。下見をしたい物件が具体的に決まっているときは、事前に連絡をして、最寄駅や現地で待ち合わせをすることも可能です。時間に制限があるときは相談してみましょう。

また、住みたい地域にある不動産会社を直接訪問して、部屋を探してもらうこともできます。ただし、急いで部屋を探したいときは、事前に連絡を入れておき、訪問する時間などを打ち合わせておいた方がスムーズです。

不動産会社を訪れるときには、清潔感のあるきちんとした服装で行きましょう。部屋を探すという自分の目的だけでなく、不動産会社からも部屋を貸すのに信頼できる人間か見られています。また、一人暮らしの部屋を探すのであれば、恋人と一緒だと同居を疑われ、敬遠されることもあります。一人では不安なときは、家族や同性の友人にお願いしましょう。

また、土日や祝日は混雑することが多いので、平日の朝に訪問するのがベスト。どうしても土日にしか行かれない場合は、朝イチに行くのがおすすめです。

■STEP4 下見に行く
間取図や物件情報から希望に合う部屋が見つかったら、下見をさせてもらいます。いくら急いで探しているからといっても、資料だけで申し込みをしてしまうのは大変危険です。住んでから後悔しないために、最低でも一度は実際に部屋を見に行きましょう。(参考ガイド記事:部屋の下見に行ってみよう

■STEP5 申し込みをし、契約をする
住みたい部屋が決まったら、続いて申し込みです。入居審査が行われ、通過後に実際に部屋を賃貸するための契約を行います。(参考ガイド記事:賃貸契約の流れと注意点を知ろう


次は、不動産会社とのお付き合いで注意したいポイントです。こんなところに「恐い」というイメージがあるのでは?


こんな不動産会社に注意をしよう

不動産会社

「すぐになくなってしまいますよ」「他の人が契約しそうです」なんて言われても、その場の雰囲気に流されないで

部屋探しをしているときに不動産会社から嫌な思いをさせられたり、トラブルになってしまうケースも、残念ながらあります。万が一不動産会社とトラブルになってしまった場合は、最寄りの消費生活センターや各自治体の宅地建物取引業者を管轄する窓口に相談をしましょう。

ただし、こういったことを行っているのはほんの一部の会社です。悪い噂で疑心暗鬼になってばかりいると、逆に不動産会社からも良い物件を紹介してもらえなくなりますので、心配もほどほどに。

■『おとり広告』を出している
インターネットの広告を見て電話し、空室を確認した上で、すぐに不動産会社を訪問したところ、「つい先ほど契約が成立したんですよ」と言われて、他の部屋を強引に勧められることがあります。

本当にタッチの差で物件が決まってしまうことも確かにありますが、人気の条件を揃えた架空物件やすでに契約されている物件の『おとり広告』を出して、顧客を集めようとする悪質なところもあります。その地域の家賃相場に対し、あまりに好条件な物件の場合は『おとり広告』や、ワケあり物件である可能性も高くなります。また、その物件を複数の不動産会社で扱っているようであれば、それぞれに問い合わせをしてみることをおすすめします。

■下見の際に「手付金」を要求される
「下見をするのには手付金が必要だ」と言われてお金を預けたけれども、実際に下見をしたあとに契約をしなかった場合でも、そのお金を返してくれないことがあります。部屋を下見するだけでお金はかかりませんので、支払う必要はありません。

■契約しなかった場合の「申込金」を返してもらえない
気に入った部屋を他の人に契約されてしまわないように押さえておくために、預り金(申込金)を契約前に求められることがあります。このお金は実際に契約をした場合に契約金の一部に当てられますが、契約をしなかった場合の返還についてトラブルが多く起きています。

お金を支払う前に返してもらえるかを必ず確認し、預かり証(領収証ではありません)を発行してもらいましょう。また、こういったトラブルを避けるためにも「借りるかわからないけれど、とりあえず押さえておこう」といった安易な気持ちで申し込むのはやめましょう。(参考ガイド記事:「手付金」「申込金」って何?

■契約を急かされる、強要される
希望する条件とは全く違う部屋を一方的に出されて「こちらの方がいいですよ」と契約を無理やりさせようとしたり、「人気の部屋なので、他の方に取られてしまいますよ」と急かされたりすることがあります。悪質な場合には、他の人(大家さん、他の不動産会社、お客さん)に電話をするふりをして、「次の人が下見に来るんですか!?」などと、わざと焦らせるようなことを言うところもあるようです。

不動産会社の態度に不信を抱くような場合は、ある程度で見切りをつけて他の不動産会社を回った方が時間も手間も無駄になりません。信用できない会社と、いい部屋探しをするのは難しいでしょう。

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不動産会社と上手に付き合うことは、希望の部屋を見つけられるかどうかの大きなポイントです。信頼関係を築いて、気持ちよく部屋探しができるといいですね。次は、いよいよ本格的な部屋探しのスタートです。「賃貸広告・間取図の見方を知ろう」も併せてご覧ください。

楽しい一人暮らしが実現できる部屋が見つかるように、関連サイトでは部屋探しに役立つサイトを紹介しています。ぜひ参考にしてください。

== 関連サイト ==
All About[家を借りる]不動産会社との付き合い方
はじめて部屋を探すとき、困るのが不動産会社選び。どの会社を選んだらいいのか、また訪問するときはどんなことに注意したらいいのかがまとめてあります。
All About[家を借りる]これで不動産会社は恐くない!
不動産会社には悪いイメージを持っている人が多いようですが、心強くなるアドバイス。不動産会社を訪れる時、物件を案内してもらうときのポイントです。
All About[家を借りる]こんな営業マンはタブー!
担当者が言うことはどこまで信用していいものか、疑い出すときりがないですが…。今の時代、こんな担当者にはご注意を!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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