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― ひとり暮らしを始めようと思った理由は? 東京に拠点を置いて就職活動をするためですね。出版社への就職を希望していたので、やっぱり出版社の集中する東京に出てくるしかない、と。祖父母が東京に住んでいるので、最初はそこにお世話になったんですが、祖父母が私の不規則な生活のせいで体調を崩してしまったのがきっかけで、前々から計画していたひとり暮らしをすることに決めました。 ― ご両親にはどんなふうに話したんですか? 私の中では岡山にいたときからひとり暮らしをするつもりで貯金をしていたんですが、両親はずっと祖父母の家にいると思っていたんですよね。話を切り出す頃には私はもう東京に来ていたので、親に電話で話したんですが、反対されました。ひとり暮らしをしたこともないし、慣れない土地だし、就職活動もしなくちゃいけないし、お金もかかるし、ということで。父は恥ずかしがってあまり電話には出てくれないんですが、とても心配していたようです。 ― どうやって説得したんですか? 自分で全部責任は持つ、と。両親の負担にならないようにお金もちゃんと貯めてあるし、家もきちんと探しているということを説明しました。何度も何度も電話はかかってきましたが、最後は押し切りました。心配かけるのは申し訳ないと思ったけれど、親には心配以外はかけないつもりでしたから。 ― 今現在、ご両親との関係は? 3日に1回は電話がかかってきます。まだまだ心配しているんだと思います。両親はとても心配性だから、困ったことがあっても相談しないし、できないんですよ。大切な人に心配をかけるのは一番心苦しいから少しでも負担にならないように。最近は心配をかけるのも愛情のひとつかなとも思うんですが、なかなか意地っ張りで(笑)。 まだ母親はいつか私が岡山に帰ってくると思いこんでいるみたいです。「もう戻らないよ」とは言っているんですけど。ひとり暮らしを始めるときもそうだったけれど、親心っていざ離れてみないと、なかなか実感できないものなのかもしれませんね。 ― ひとり暮らしを始める際のご両親の関係についてアドバイスを。 私の場合、「今貯金がいくらあって、これだとどのくらい生活できる」とか具体的な数字や証拠をきちんと示して説得したんです。少しでも親を安心させてあげられる材料は用意した方がいいんじゃないでしょうか。 | |||||
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