小動物/昆虫の飼い方

昆虫の擬態(3ページ目)

昆虫の魅力の1つであり、個人的にとても魅せられている「擬態(ぎたい)」について、紹介したいと思います。

執筆者:村田 亜衣

擬態の謎

蝶、または蛾
敵を寄せ付けないために警戒させる模様を持つことも、擬態の1つの形態だと思います。
カマキリの仲間を見ていると、私は素朴な疑問に悩まされます。同じカマキリの仲間でありながら、どうしてこうも外見の違う生き物に変化していったのでしょうか? その変化の途中には、いったいどんな擬態の姿があったのでしょうか?

擬態は、擬態する昆虫達が生きていくために必要なものであり、生きるために擬態するようになったと考えることができると思います。より多く、より簡単に獲物を捕らえるためにカマキリの擬態が発展してきたのだとするならば、最初のうちは今とは違う擬態をしていたのかもしれません。

ナナフシのように隠れることで狙われないようにする擬態をする昆虫は、最初は隠れてもすぐに見つかってしまう擬態だったのかもしれません。それとも、彼らは突然変異のように、あるとき今の姿で登場したのでしょうか?

スズメバチに似たトラカミキリは、最初から行動も真似ていたのでしょうか? それとも、スズメバチを観察して行動を真似るようになったのでしょうか?

私は、擬態について調べたり考えたりしていると、それだけで何時間も使ってしまいます。何時間使っても飽きることはなく、もっともっと知りたくなるばかりです。

ジンメンカメムシ
擬態とは違うと思うのですが、ユーモラスな模様というのも昆虫の魅力の1つと言えるでしょう。
最近は、昆虫というとカブトムシかクワガタムシを指すようになり、ほかの昆虫に注目する機会が減ってしまったように思います。もっと身近なところに、いろいろ考えたくなったり、いつまでも観察したくなったりする魅力的な昆虫がいることを、ときには思い出してください。ほんの数cmの小さな昆虫ですが、そこには研究しても飽きることのない魅力がたくさん詰まっています。

昆虫以外の生き物の擬態

最後に、昆虫以外の擬態をする生き物を紹介したいと思います。昆虫は身体の見た目を変える擬態を行いますが、昆虫以外の生き物には、背景に合わせて身体の色を変える擬態をする生き物がいます。

身体の色を変えると聞いて、すぐに思い浮かぶのはカメレオンでしょう。カメレオンは背景に合わせて体色を変化させます。体色を変化させている姿はすごく不思議で、綺麗だと私は思います。

カメレオンよりも体色の変化が早く、変化する姿を観察するのが難しい生き物もいます。海に住むタコです。タコの仲間には、身体の色を変えることで砂に見えるようになったり、岩だなに見えるようになったりするタコがいます。彼らの体色の変化は早く、一瞬で消えてしまうように見えます。

動物園や水族館に行くときには、動物をさっと眺めて通りすぎるだけでなく、どこに隠れているのか探してみると、また新しい楽しみが見つかるのではないかと思います。

もっと擬態昆虫を見たい人のために

隠蔽的擬態をしている昆虫の写真を紹介しているホームページ:
海野和男のデジタル昆虫記

ハナカマキリなどカマキリの仲間を多く紹介している画像サイト(必見です!):
Photos by Igor Siwanowicz

子供向けに擬態を説明しているホームページ:
昆虫は忍者?

カマキリも扱っているオンラインショップ:
JUNGLE☆WORLD

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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