小動物/小さなペット関連情報

絶滅の恐れがある動植物を守るための条例です ワシントン条約(2ページ目)

条例の内容は知らなくても、ニュースなどで「ワシントン条約」という言葉を聞いたことのある人は多いのではないかと思います。ワシントン条約は、動植物を絶滅しないように保護する条例です。

執筆者:村田 亜衣

繁殖された個体は輸入できます

サイテス1に含まれるチンチラは、保護を必要としており、販売を目的とする輸出入は原則的に禁止されています。でも、ペットショップにはチンチラがいます。ワシントン条約に違反しているのでしょうか?

ペットショップにいるチンチラの輸出入については、ワシントン条約に違反していません。なぜなら、ペットショップのチンチラは、野生個体ではなく繁殖された個体だからです。

野生のチンチラを捕獲した場合、それらは野生個体であり、販売を目的とした輸出入はできません。けれども、外国のブリーダーが繁殖した繁殖個体であれば、販売用に輸出入できるのです。そして、ペットショップに展示されているチンチラは、ペット用にと繁殖された個体を輸入したものですので、ワシントン条約の対象動物ではないのです。

違反者を作っているのは私達です

数年前になりますが、オランウータンの子供を密輸入した方がワシントン条約違反で逮捕される事件がありました。このとき保護されたオランウータン達は、すぐに野生に戻ることはできませんでした。森に戻るためのリハビリを行う必要があり、戻せる森を探さなければならかなったからです。

捕獲された国に戻れるとは限りません。動物園で保護され、展示動物となることもあります。

珍しい動物をペットにしたい。その思いが、ワシントン条約に違反して密輸入を行おうとする人を作り、限られた自然の中で暮らす動物から家族を奪い、そして、捕獲した動物に望んでいなかったであろう生活をさせることもあるのです。

ペットに珍しさは必要ありません。私達のわがままで絶滅する動物を増やしたりせず、彼らに保護が必要なことを理解してください。彼らを保護するために、ワシントン条約があることを知ってください。

付属書について

付属書に挙げられている動植物は、必要に応じて常時追加されています。最新の情報を調べる場合は、大きな図書館などで調べるか、学名より下記のサイトで調べるといいでしょう。

ワシントン条約事務局:CITES(英語サイトです)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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