チョコレートグラミーの子育て
チョコレートグラミーの子育て
一般に、口内で卵を保護する行為を「マウスブルーディング mouth brooding」と呼びます。進化の過程で、より確実に子孫を残す為の手段として確立された繁殖形態なのでしょう。 近年人気、価格共に高いアジアアロワナも卵と孵化後暫くの間の稚魚を、口内で育てる事が知られています。また、一部の野生のベタなどでも、多くの種で観察され、これらは特に「マウスブルーディング・ベタ」と呼ばれたりします。
今回は、その中でもベタの仲間に近縁な「チョコレートグラミー」をピックアップ!! 生態からその繁殖についてまで取り上げていきます。
では、ここで「チョコレートグラミー」についての詳細を!!
チョコレートグラミーの基本情報
通称「チョコレートグラミー」と呼ばれ、略して「チョコグラ」の愛称で呼ばれたりもする全長5cm程度の魚。正式名称(学名)は、Spherichthys osphromenoides osphromenoides。一般的に知られている本種以外にセラタネンシス(S.osphromenoides selatanensis)亜種が存在し、基亜種となる本種に比べ、体側の乳白色のラインの本数が多い、赤身が強いなどの相違が見られます。また、ゼブラチョコグラ(Sphaerichthys vaillanti)など幾つかの近縁種が存在します。 マレー半島、スマトラ島に生息し、現地では、低pH、低硬度のブラックウォーターに見られ、超軟水を好むが、そのような水質を維持しなくとも、ある程度ろ過の効いた落ち着いた水を用意できれば飼育下では特に問題がありません。 比較的地味な体色をしているにも関わらず、そのゆったりとした泳ぎや、飼育難易度が高いことから初心者から上級者までに人気のある魚。 |
「大体、どんな熱帯魚か解りましたか?」
チョコレートグラミーの繁殖方法
「チョコレートグラミー」は親が産卵後すぐに口に卵を含み保護するという繁殖方法をとります。およそ3~4cm程で繁殖可能となり、状態良く飼育しているとやがて2匹で体を寄り添う様にクルクル回る個体が出てきます。それが、産卵の合図!!絶食を行なってまで育児に専念する姿は、感動的でもあります。その間、雌は平時よりも強くなり、他の魚が近づくと激しく追い払います。正に「母は、強し!!」と言った感じです。
チョコレートグラミーの詳しい繁殖データ
繁殖時のタンクデーター | ||||||||||||||
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水質 PH5.0~6.8 KH、GHともに1.0以下
◆ポイント- チョコグラより強い魚は一緒にしない。単独での飼育が望ましい。
- 流木などで隠れる場所を作り、ウィローモスや浮草を多めに入れ落ち着ける環境を作ってやる。
- 上記の水質を参考に基本的なことだが、良好な水質を維持する
- クルクル回る行動が観察されたら、普段より大目の給餌
- 換水による軽いショックを与えると、繁殖のきっかけになることが多い。
1、2は、比較的臆病な魚である為、魚がリラックスできる環境作り。
3は、飼育の基本中の基本。
4に関しましては、口内保育中に絶食する事から体力の増強を図る為。
これらの基本的な条件を整えることによって、簡単とまでは言いませんが、思ったよりも楽に産卵までは到ります。それらの基本的な事が難しいと言えば難しいのですがね。
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