全国の両爬ファンの皆さん、コンニチハ!!

速報というには遅すぎますが、私たち両爬ファンにとって気になってしまうワシントン条約締約国会議、いわゆるCITES COP15の結果をお知らせいたします!!

今回の締約国会議は、2010年3月13日から25日に中東はカタールの首都ドーハで開催されました。
これまでは、あまり日本のメディアでも注目されなかった会議ですが、今回だけは連日ニュースになっていたので注目していた方も多いはず。
そう大西洋産のクロマグロです。やはり人間のもっとも大切な本能である「食」に関係することとなれば、イヤが応にもメディアで取り上げられ、みなさんの注目も集まるというものです。
マグロにとっては不幸にも、私たち日本人にとっては幸運にも大西洋産クロマグロのCITES I 掲載案は否決されましたが、何より今回のニュースで多くの方が「CITES I」に掲載されるということの意味を実感できたのではないかと思います。
もちろん、クロマグロだけではなく、今回の締約国会議でも数種類の両爬が議題に上がり、野生個体の国際的商取引について議論されたわけです。

なお「ワシントン条約締約国会議」と「COP12」に関しては
ガイド記事「COP12閉幕
「COP14」に関しては
ガイド記事「COP14閉幕
をご覧下さい。

さて、それでは、CITES COP15の両爬関係の結果をご覧いただきましょう。

両爬関係は7つの提案

COP14のときも書いたのですが、両爬関係ではCOP12でアジア産のハコガメやヤマガメのCITES II入りCOP13ではクモノスガメのI入りとスッポンモドキおよびヘラオヤモリのII入りなどカメを中心に、愛好家にとってはある意味厳しい結果になりました。

それでは、今回の結果を、提案された順にご紹介いたします。

変更学名和名など
付属書 I からII へ(野生個体の割り当てはなし)Crocodylus morelettiグアテマラワニ(モレレットワニ)
付属書 I から II へ(エジプトの個体群)Crocodylus niloticusナイルワニ
付属書 II に掲載*ホンジュラス提案Ctenosaura bakeriC. oedirhinaC. melanosternaベーカートゲオイグアナロータントゲオイグアナアグアントゲオイグアナ
付属書 II に掲載*グアテマラ提案C. palearisノドダレトゲオイグアナ
付属書 II に掲載Agalychnis spp.アカメアマガエル属全種
付属書 I に掲載Neurergus kaiseriカイザーツエイモリ
ということです。
また、今回の両爬ファンの目玉でもあったニシキトゲオアガマのCITES I への掲載は否決されました。

いかがでしょうか?
今回は、私も忙しくてニシキトゲオアガマの提案以外は知らなかったのですが、やはりカイザーツエイモリの I 入りは、ちょっと影響大かなと思いました。
カイザーツエイモリに関してはコチラでご紹介していますので、ぜひご覧下さい。

ご覧いただければわかると思いますが、極彩色の派手なイモリで、観賞用として非常に人気が高い種で、いつかは飼育をしたい、と思っていた方も多いのではないでしょうか。
今回のCITES I 入りは、もちろんペットとしての捕獲圧を主たる原因とした個体数の減少が根拠となっていますので、私たちも複雑な気持ちではあります。EUで繁殖されたCB個体が流通のメインになっていると思ったのですが、何にしろこれで基本的には輸入がストップすることになるわけです。
CITES I に入った種類は種の保存法によって国内での飼育や流通にも強い制限がかかるわけです。CITES I になったらどうなるのかの詳細はコチラの記事が参考になると思います。

カメやトカゲと異なり、イモリは個人でも十分に飼育下での繁殖が実現できますので、国内で今後も流通させるには、繁殖個体の証明が公的に認められるような手だてが必要と思います。つまり「繁殖場」として認められれば、今後は国内繁殖個体に限り流通することができるかもしれません。

一方、アカメアマガエル属全種の II 入りも多少の影響が考えられる結果です。
アカメアマガエルは、熱帯雨林を象徴する生き物として、イラストやアクセサリーなどさまざまなもののデザインのモチーフとして一般の方も一度は目にしたことがあるカエルです。
今回は、その属に知られる全6種すべてが付属書 II に掲載されることになり、輸出入に制限がかかることになりました。コチラのリンク先に代表種であるアカメアマガエルの解説がありますので参考にしてください。
一般の皆さん以上に、私たち両爬ファンにとってポピュラーで馴染みの深い本種の II 掲載は、今回の目玉と言えるでしょう。
こちらはペットトレードだけでなく、生息環境の減少や全世界的な両生類の減少、あるいは気候の変動が原因で個体数が減少傾向にあるということで、このような結果になったわけです。
幸い、アカメアマガエルは飼育下での繁殖に成功例が多くあるため、流通量は減りますが深刻な影響はないと思われます。というか、正常な流通量になることでしょう。ただし、人気が高い生き物ではありますので、価格の高騰は避けられないと思います。

一般の方には馴染みが薄く、両爬ファンの間でもそれほどメジャーではない、トゲオイグアナたちの II 入りも注目に値します。
特に、ノドダレトゲオイグアナは流通量も少なく知名度も高くはありませんが、非常にカッコイイトカゲですから、一部のファンからは価格の高騰などの危惧の声が聞かれます。
ノドダレトゲオイグアナに関してはコチラの項で解説をしていますので、参考にしてください。

というわけで、クロマグロのおかげで一般の方の間にも注目をされるようになり、今後はニュースも多くなりそうなCITES の締約国会議ですが、次回は2013年にタイで開催されることになっています。

<参考サイト>
CITES(英文)

<ガイド記事>
COP14閉幕
COP13閉幕
COP12閉幕
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。