ちょっと遅くなってしまいましたが、いよいよ50号も近づいてきた両爬雑誌「ビバリウムガイド」の最新刊No.48のレビューです!!
ビバリウムガイド No.48 定価1200円 |
高田先生、追悼企画
さて、今回のビバガ、表紙こそ、まあいつもの雰囲気ですが、ちょっと内容は独特のものになっているようです。そう、巻頭特集が昨年10月13日に享年84歳でご逝去された、日本の爬虫類趣味の黎明期を作られた高田榮一先生の追悼特集になっているのです。
恥ずかしながら、私自身は高田先生のことはよく存じ上げていなかったのですが、ビバガ現場監督の冨水明氏による、これまでの高田先生の活躍の紹介を読んで、あらためて惜しい方を失ってしまったのだなぁ、と感じています。
今回の特集では、冨水さん自身が高田先生のご自宅で見つけた、さまざまな貴重な写真などの資料を掲載して、あらためて高田先生を紹介しています。
ちょっと不謹慎な表現かもしれませんが、「高田榮一先生入門」とでも言えるような内容ですから、私などのように、よく知らなかった方々はぜひご覧いただき、今の私たちの趣味があるのも高田先生のおかげなのだということを認識して、あらためてそのご冥福をお祈りしたいと思います。
ただ、冨水さんが高田先生を心から尊敬しているように、私たちのように、この世界に入ってから日が浅い人間にとっては冨水さんや千石正一先生がその憧れの対象であり、これからも私たちの前に立っていて欲しい、そんなことを考えていました。
対談はさかなクン!!
さて、今回のビバガはもう一人のカリスマが登場です。対談コーナーのビバガTalk Stageでは、あの「さかなクン」が登場しています。あの人柄が本当にそのままなのだと、ちょっと驚きと安心をするような対談記事ですが、何よりもさかなクンが私たち両爬の世界に興味を持ってくれたことに感謝です。
現地レポートは三本立て!
今回は、ちょっと飼育記事が少なかったのですが、それに対して現地レポート記事が3つもあるのは、私は個人的にはかなりウレシイことです。一つはアメリカのサンディエゴ動物園レポートです。
何よりも、ここで冨水さん自身がムカシトカゲを触ったというのがうらやましすぎ。あまりにも紹介したいことが多すぎるということで、今回は展示を衷心に紹介し、次号ではバックヤードを紹介するという二回に分けての特集という気合いの入りっぷりです。ただし、バックヤードの文章による紹介は、今回の本文の方にありますから、見逃せません。
次のレポートは名字をミスプリントされてしまった「田原」義太慶さんの台湾フィールド記です。
なかなか私たち両爬ファンにとって近くて遠い国である台湾ですが、短い滞在期間でこれだけの種類を観察できたというのですから、スバラシイです。
私も、とりあえず今年は台湾フィールディングを計画していますので、それの参考になりそうです!
しかし、田原さんの写真はいつ見てもキレイですスバラシイです。
最後のレポートは、おなじみの加藤博士のレポートです。
今回はベトナムでシナワニトカゲを探すという、いかにも私好みの内容。いや、本当に探すの大変そうな生き物です。これを見つけてしまうのだから、スゴイ。
それと、今回はフィールドレポートのあとにシナワニトカゲの飼育と繁殖に関するレポートもあるので興味がある方には見逃せない内容です。
その他の特集
今回は、本当に人間にスポットを当てている感が強いのですが、3号に渡って連載されていた「爬虫類の学校」も、いよいよフィナーレ。これまでのまとめと、生体、そして生徒さんたちの成長を見ることができます。また一般の方のお宅の飼育状況を紹介する「My Vivarium Style」は今回、お二方を紹介しているのですが、なぜかビルマニシキヘビにミズオオトカゲと両方とも大型種の飼育者の方です。ケージの様子なんかは参考になりそうです。
もちろん人間や環境ばかりが見所ではありません。もちろん生態の情報も、いつもよりは少なめではありますが、きっちり掲載されています!
1グループ徹底研究の「僕たちの好きな」シリーズは、マダガスカルの妖怪・ヘラオヤモリの特集です!誰もが一度は興味を持つヘラオヤモリを「1000種図鑑」の海老沼大明神氏が真剣に解説しています。
というわけで、「人間」をテーマにしたようなビバリウムガイドNo.48のご紹介でした!
次号ビバリウムガイドNo.49は4月下旬の発売予定です。
<関連サイト>
エムピージェー
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ビバリウムガイドを作った漢 冨水 明氏に聞く!!