ホクオウクシイモリの基本情報
撮影協力:ペポニ
学 名:Triturus cristatus別 名:キタクシイモリ英 名:Great Crested Newt分 布:イギリスとフランス北部からスカンジナビア半島南部とアルプス山脈の北側に挟まれたヨーロッパの北西部からロシア西部全 長:15-18cm
繁殖期のオスが見せる劇的な形態の変化が人気のクシイモリの仲間の一種です。
ノルウェーなどスカンジナビア半島にまで分布していて、もっとも北方に分布している両生類とも言えます。
腹部はオレンジ色をしていて美しいのですが、通常のオスやメスの背面は灰褐色地に不明瞭な黒色の斑紋が入る地味な体色ですが、繁殖期になるとオスの頭部の後方から尾にかけて背中線に大きなヒレ状のクレストが発達します。このクレストは尾の付け根で一度途切れますが、よく似ているミナミクシイモリはくびれる程度であることで見分けられるようです。その他にも本種の方がミナミクシイモリよりも体色が暗いことや本種の方が体表のイボ状の突起が多いことなどで見分けることができるようです。
生息環境や生態はクシイモリを含むヨーロッパイモリ属とほぼ同様ですので、ミナミクシイモリの項を参照して下さい。ただしミナミクシイモリは同属多種と比較して成体の乾燥に対する耐性が高いようですので、本種はより湿度が高い環境を好むようです。
10月から翌年の2月程度まで冬眠を行い、目覚めた後に繁殖行動に移ります。メスは15-200(最大600)個程度の大きめの卵を、一つずつ水草の葉などに生み付けていきます。卵は10日から3週間ほどで孵化しますが、孵化率は通常最大で50%ほどであるようです。孵化後2.5-3ヶ月ほどで変態して陸上生活に移行します。
イギリス国内では最大の有尾類ですが、環境の悪化等により生息数が激減していると言われていて、保護の対象になっています。
かつてはヨーロッパのイモリとしてもっとも普通に国内で流通していたようですが、近年はミナミクシイモリに取って代わられたようで、あまり輸入されなくなってしまったようです。
ミナミクシイモリの時以上に、オスのクレストが発達した姿の写真が手に入りませんでした。スミマセン。ミナミクシイモリの項にある写真で想像してください。
赤っ恥をかかない程度の知識
|
ホクオウクシイモリの飼育方法
飼育容器通常は30から45cm程度のガラス水槽やプラケースでいいが、必ずしっかりとフタができるものを使う
温度
25℃を超えないようにする
照明
特に必要なし
床材
焼き赤玉土・水苔・ヤシガラ土・腐葉土など湿度を維持できる素材
容器内レイアウト
体を浸せる水容器とシェルターを設置する。陸地は乾き気味でよい
餌
コオロギ・ミールワーム・ハニーワームなどの昆虫。週に2-3回、1回に頭と同じサイズの餌を1-2個与えるくらい
基本的な世話
いわゆる有尾類の飼育方法
- 水中飼育を行う場合は、水草などつかむことができるものを多めに設置する
- 皮膚病に注意
- 餌の食わせすぎに注意する
- 餌はピンセットで与える
- 10cm程度の個体は上陸直後の個体であるから広い水場を用意して多湿環境で飼育する
- など
【関連記事】