二遺伝子の交雑
前々回の授業は何やったか覚えているかな?じゃ、38番の人!「一つの遺伝子による遺伝の仕組みの勉強です」
そう、「一遺伝子雑種」ってやつだな。
じゃ、前回は?3番の人!
「さっき宿題でやった2つの遺伝子を組み合わせる話です」
そうそう。「独立の法則」だ。
これでピンときたんじゃないかな。
そう、今回はこの2つの考え方を応用した「二遺伝子の交雑」に関して、つまり「二遺伝子雑種」だ。
たぶん、話だけ聞くと、すごく複雑に思えて難しいと考えてしまうかもしれないが、何も新しいことを勉強するわけじゃない。前回と前々回の話を組み合わせるだけなんだ。
じゃ、例を考えてみよう。
2つの遺伝子について考えるから、形質も二種類考えないとな。ここではいつものようにコーンスネークの色彩変異で考えてみよう。
まず一つはいつものように黒色色素があるかないか、つまりアメラニだ。それともう一つは赤色色素があるかないか、つまりアネリだ。
これまたいつものように黒色色素を持つための遺伝子をMと対立遺伝子をm、赤色色素を持つための遺伝子をEと対立遺伝子をe、としよう。
さてこの2つを両親にして交雑させることを考えよう。
どっちでもいいんだが、オス親をアメラニ、メス親をアネリで行こうか。
ちなみにこの2つの遺伝子に注目した時に考えられる、オス親であるアメラニの遺伝子型はどんなかわかるか?一つじゃないぞ~。ハイ!8番の人!
「えっと、アメラニだから黒色がないから劣性のホモでmm、でも赤色はあるから優性形質...と。優性のホモEEとヘテロのEeだから...mmEEとmmEeの二種類ですよね?」
そーだ、ご苦労さん!いいぞー、正解だ。
ここでは純系、つまりともにホモであるmmEEの遺伝子型のアメラニをオス親としよう。
では、メス親のアネリの遺伝子型は?13番~
「ハイ。MMeeとMmeeです」
さすが。おっけー。
こちらも純系のメス親ということでMMeeのメス親を準備する。
生まれてくる子はすべて...
さて、この両親を交雑させて子を得ることを考えるぞ。何も深読みしないで考えると「黒抜け」のアメラニと「赤抜け」のアネリの間の子だから、「黒も赤もない品種」、つまりスノーができそうなもんだよな?じゃ、本当にできるか考えてみよう。一遺伝子の雑種の時と同じように考えるぞ。
まず考えなくてはいけないのは配偶子、つまり精子と卵の遺伝子型だったな。
アメラニのオス親が作る配偶子、つまり精子の遺伝子型は以下の図でわかるようにmEだけだな。
で、同じようにアネリのメス親が作る配偶子の遺伝子型は?18番の人!
「Meです」
そうだね。
それぞれの配偶子 |
というわけで、生まれてくる子はすべてMmEeの遺伝子型を持つ、ということだな。わかるね?さ、この遺伝子型を持つ個体の表現型は?23番の人~
「ダブルヘテロだから...ノーマルです」
その通り!
ほら、アメラニとアネリを交雑させても純系同士なら、ノーマルしか生まれてこないんだね。コレ、実際だったら、なんか、ちょっとガッカリするかもな。でも、仕方ない。ウン。
アメラニとアネリを交配させてもすべてノーマル※ただし純系 |