今回の輸入
今回の輸入の中心になったのは、横浜のショップ・マニアックレプタイルズさんです。今回の立役者・マニアックレプタイル店主さん |
画像提供:マニアックレプタイルズ |
とにかく店長の宮内さんが、こよなくヨウスコウワニを愛していらっしゃる方ですので、なんとか多くのヨウスコウワニファンの方の期待に添いたいと考えていたそうです。そのために2年以上前から中国の養殖場と交渉を進めていた苦労がようやく実り、今回の輸入となったわけです。
そもそもヨウスコウワニはCITES Iですから、学術目的以外での国際的な商取引が禁止されているわけですが、どうして輸入されるのでしょう?
実はCITES Iでは、野生個体の商取引は禁止されており、飼育下繁殖個体の場合は商取引が可能なのです。ただし、それは認可された養殖場で繁殖された個体に限っての話なのです。
ヨウスコウワニは、もちろん稀少な野生動物として保護の対象になっているのですが、中国国内では昔から食用としての需要があったため、繁殖場が5カ所ほどあるのだそうです。
しかしながら、国外への輸出が認められているのは、そのうちの安徽省にある一カ所だけで、しかも輸出の許可が中国政府からなかなか下りないのが現状だそうです。
安徽省の繁殖施設 |
画像提供:マニアックレプタイルズ |
宮内さんは、とにかく足繁くその養殖場に通い、長い時間をかけてようやく商談を整えることができたそうです。
流通に乗せる苦労
その苦労の甲斐あって、今回20頭の輸入に漕ぎつけました。ところが、相手はCITES Iですから、もちろん国内に入ってきて、それを所有したり販売するための「登録票」の発行を受けるために厳重な審査があるわけです。
実は、今回のワニたちは昨年の11月に国内に入ってきていたのですが、この登録票の発行のための審査に時間がかかりました。これは仕方のないことで、これまでにもCITES Iの生き物の密輸などの前科がある両爬流通界ですから、所轄省庁も慎重になっていたようです。
繁殖施設でのワニたち |
画像提供:マニアックレプタイルズ |
これらのいくつものハードルを越えて、ようやく2月中旬に販売を開始することができるようになったわけです。