アリススプリングス
そんなわけで、ようやくアリススプリングスに着いたのは夕方。とりあえず腹ごしらえをして一休みします。で、いよいよ夜のフィールディング開始です。
ところが、まあいつものごとく、何にもいない...アリススプリングスだから、道路を横切るウォマとかセントラルパイソンとかを期待するのですが、何にもいないわけです。
かろうじて、道路脇のユーカリとかを見ると、Hemidactylus つまりホオグロヤモリの仲間らしい壁チョロを見るくらい。
やっぱり、さすがオーストラリアです。広すぎ。
結局、アリススプリングスの夜は二晩でキングブラウンスネークのDORくらいでおしまいという惨憺たる結果でした。
ただ、昼の部はまずまずで、件のレプタイルセンターでのひとときが、我々のテンションを上げてくれたこともあり、意欲的に生き物探しができました。
その中でも、特に大興奮だったのがピグミーマルガモニターとの出会いです。
ピグミーマルガモニター |
なんだかんだ、かなりの距離を移動しても何も見られない時間が続いたときに、ふと思い立って、そういえば森林性のドワーフモニターってこんなトコにいるはずなんだよな、と考え、立ち寄ったドライフォレストで、その瞬間が訪れたわけです。
以前に、ケアンズ周辺でスカラリスモニターを見つけた経験を生かして、探索を続けたのですが、わずか数分で、その大興奮を味わえたわけです。だって、想像してみてくださいよ。国内でほとんど流通してないドワーフモニターを、あの広いフィールドで見つけたときの感激を。
本当にオレって幸せ、って思う瞬間です。
さらにペレンティが見られるだろうという情報でかなり足を運んだのですが、残念ながら見られなかったポイントも素晴らしい場所でした。
素晴らしい場所でした |
再びエアーズロック
そうしてアリススプリングスでの滞在期間も終わってしまい、またエアーズロックに向かいます。途中で、痛恨のモロクトカゲのDORを見つけて、大興奮はしましたが、結局モロクの生体と出会うことは叶いませんでした。
モロクトカゲのDOR |
あまりにも有名な夕暮れのエアーズロックを見物して、いよいよ一発勝負のエアーズロックの夜です。
いつものように道路を流して、ヘビとかヤモリを探します。
ときどき、ヤモリと思われる生き物が車の前を横切るのですが、悲しいかな止まったときには、もうどこかに立ち去ってしまっています。
期待していたヘビの姿もありません。
やはり湿度が高いケアンズと違って、乾燥しまくっているこの辺りでは、生き物との出会いは想像以上に過酷でした。
しかし、そんな中で、ある意味スゴイ生き物と出会うことができました。
走っているライトに、ふっと照らし出された白っぽく細長いモノ...
「ヘビ...!!」
と思って車を急停車、ダッシュでその場所に向かった私たちが出会ったのが...
「メクラヘビ!?」
そこにいたのは、もうどう見てもでっかい線虫にしか見えない、ピンク色のメクラヘビでした。ブラーミニメクラヘビとしか出会ったことがない私は、このでかさと色に大興奮!
さらに頭部の形状が異形。
あとから調べてみると、どうやらRamphotyphlops endoterus という種類。
メクラヘビの一種Ramphotyphlops endoterus |
果たして、オーストラリアのメクラヘビとしてレアなのかどうなのかなんて知るよしもなかったのですが、この広い大地でこんなのと出会えるなんて、あり得ないですよ。マジで。わからないけど、こんなのと出会えた日本人なんて、オレたちが初めてなんじゃね?って感じです。しかも、メクラヘビのくせに持たれたらヘビ汁を出して、臭いし。でも、こんな臭いを経験できるのも、これだけ頑張って生き物との出会いを求めた結果なんでしょう。
しかし、こんなに乾燥した条件なのに、地表に出てくるなんて...ちょっと驚きでした。
結局、夜は頑張ってもこれだけしか見られなかったのですが、これはこれでヨシ、って本当に思えました。
もう一回、同じ出会いをしろと言われても、たぶんムリ。