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ロンサム・ジョージ(3ページ目)

2世誕生の期待が高まっているロンサム・ジョージ!ついに「たった1匹」でなくなるのか?今さら感がありますが、ロンサム・ジョージについての解説です!

執筆者:星野 一三雄

ガラパゴスゾウガメ

ゾウガメはリクガメ科の一種で、現在はガラパゴスゾウガメと、アフリカのアルダブラ諸島に生息するアルダブラゾウガメの2種が地球上に生息しています。
使い古しでスミマセン
別種・アルダブラゾウガメ


先述したようにガラパゴスゾウガメは12-15の亜種または、それぞれを独立した種として分けられています。ご存じのように、ガラパゴスは「諸島」ですからいくつかの島の集まりです。その数は19であり、そのうちの9つの島にゾウガメが分布しています。ただし、そのうちの2つの島ではゾウガメは絶滅していて、現在は7つの島しかゾウガメはいません。

かのダーウィンが進化論を思いつくヒントになったといわれるように、ガラパゴス諸島のそれぞれの島に生息する生き物たちは、島ごとに独自の進化を遂げたと言われていて、ガラパゴスゾウガメも島ごとに遺伝的に異なる集団になっているのです。
そのため、それぞれの島のゾウガメは著しく形態が異なるような場合もあり、それぞれが亜種あるいは種として区別されているのです。特に最大の島であるイザベラ島ではいくつかの火山の周辺に生息する集団が異なる亜種になっていて、5つの亜種に分けられています。

「ドーム型」と「鞍型」

ガラパゴスゾウガメの進化で、よく引き合いに出されるのが有名な、背甲の形が「ドーム型」と「鞍型」の二型があるという話でしょう。

ピンタゾウガメであるジョージの写真を見ると、首が出ている腹甲と背甲の間が大きく上の方に開いているのがわかります。この背甲の形を横から見ると、他のリクガメの仲間と異なり前方が大きく上の方に反り上がっているのがわかります。この背甲の形を乗馬の時に馬の背に取り付ける「鞍」に見立てて、「鞍型の背甲」と呼びます。
この背甲の形をしているのはピンタゾウガメはじめ、6亜種の特徴とされています。

こういうのは、何としてでもガラパゴスで見てみたい
ドーム型の背甲(亜種は不明)
画像提供:美ら地球回遊記
一方、首の出る場所が特に上に大きく開いていることがなく、横から見た背甲の形が普通のリクガメのようにドーム状になっている形を「ドーム型の背甲」と呼びます。ドーム型は2亜種の特徴ですが、日本国内で唯一ガラパゴスゾウガメを展示している上野動物園をはじめ世界各地の動物園などでよく見られるサンタクルスゾウガメは、このドーム型の亜種です。

一般には、平坦な島では植物が少なく、そのような環境に生息するゾウガメたちは高い場所にある樹木の葉や背の高いサボテンを食べる必要があるため、首を上に長く伸ばさなくてはいけません。したがって、背甲が鞍型になったと言われています。

逆に山がちで緑が豊富な環境の島では、エサとなる草が地表にたくさん生えているため、ゾウガメは下を向いて草を食べればいいので首を高く伸ばす必要がなく背甲はドーム型になった、と考えられています。
しかし、この説に反するような例もあるため、なぜこのような二型になったのかは、正確にはわかっていません。

ジョージが有名になったのは、彼が一般的なカメの背甲からは異形である鞍型の背甲を持っていて、しわくちゃで長い首が目立つ容貌が、見る人に「孤独感」や「隔世感」を感じさせたからかもしれません。
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