アメリカドクトカゲの基本情報
画像提供:ペポニ
学 名:Heloderma suspectum別 名:ヒラモンスター英 名:Gila Monster分 布:アメリカ合衆国南西部(アリゾナ州、ネバダ州、ユタ州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州)、メキシコのソノラ州)全長:45cm前後 最大56cm
言わずと知れた、地球上でたった2種しかいない毒を持つトカゲ・ドクトカゲの1種です。
ドクトカゲ科はオオトカゲ科と同じ上位グループであるオオトカゲ上科に属するトカゲで、名前の通り有毒のトカゲです。ドクトカゲの毒は毒ヘビと異なり、下あごの毒腺から分泌され牙を通って相手に注入されます。
現在は、本種アメリカドクトカゲとさらに大型になるメキシコドクトカゲの2種が存在します。2種ともさらに複数の亜種に分かれており、本種は斑紋パターンの差異により以下の2亜種に分けられるとされています。
- オビアメリカドクトカゲBanded Gila Monster Heloderma suspectum cinctum
- アミメアメリカドクトカゲReticulate Gila Monster H. s. suspectum
体表の鱗はビーズ状で、黒、ピンクまたは黄色であり、黒とピンク等の明色部がバンド模様になっているタイプがオビ、網目状模様になっているのがアミメとされます。頭部前方と下顎は黒です。
尾は太短く、四肢も長くはありませんが頑丈で強い爪があります。
標高1500mくらいまでの乾燥した場所に生息しており、岩場や低木、草むらなどで生活しています。一日のほとんどを巣穴の中で過ごしており、乾季や真夏は夜間に、それ以外の時期は早朝や夕方に活動を行い、昼行性ではありません。特に体表の温度が30℃の時に活発になるようです。
餌はさまざまな動物性のものですが、特に鳥類や爬虫類の卵をよく食っていることが知られています。
繁殖生態は卵生で、5月頃に交尾を行い7-8月に1-12個の卵を産みます。卵は9-10ヶ月で孵化に至り、生まれた幼体は16cmほどと大きく、成体よりも模様のコントラストが強く美しいです。およそ3-5年で性成熟します。
もちろん、危険な動物として特定動物に指定されていますので、飼育には許可が必要な生き物ですが、なんとまあ魅力的な生き物なのでしょう。ハッキリ言って。
ホビーの対象として、繁殖も軌道に乗っているようで、ときどきではありますが、CB個体が流通します。ただし、人気の割に流通量が少ないために、非常に高価です。いや、それでいいんですけど。
毒は強いのですが、比較的ゆったりとした動きで、性格もおだやかな個体が多く、身の危険を感じてもいきなり噛みついてくるようなこともないようです。飼育もそれほど難しくなく、美しいために私などは、かなり飼ってみたい生き物ではあります。
ちなみに、よく言われる「ヒラモンスター」と「ギラモンスター」ですが、そもそも「Gila川の怪物」と呼ばれることからついた英名が元になっています。この「Gila」ですが、綴り通りなら「ギラ」と読みたくなりますが、実際の発音は「ヒラ」だそうですので、やはりヒラモンスターと呼ぶのが正しいようです。もちろん、ギラモンスターの方がカッコイイんですけど。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
動物愛護法による「特定(危険)動物」に指定されており、飼育に際しては都道府県知事の許可が必要です。
赤っ恥をかかない程度の知識
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アメリカドクトカゲの飼育方法
飼育容器90cmクラスの水槽など。通気性の確保も必要。飼育許可が得られるような頑丈な作りのケース
温度
基本は28℃程度。夜間はもう少し下げる
照明
日光浴はしないと考えていい。弱めの紫外線灯を設置した方が無難
床材
ベラボン、人工芝、新聞紙など。めくり上がりなどに注意する
容器内レイアウト
シェルターと全身が入ることと浸ることができる水入れ
餌
マウスを中心に与える。鶏卵などに小さい穴を開けて舐めさせるといいらしい
基本的な世話
乾燥系オオトカゲの飼育に準ずればよいポイントは
- とにかく、絶対に脱走させない
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