パターン4.・・・ノーマル(ヘテロ)同士の交雑
さて、ヘテロ同士だから配偶子もMを持つモノとmを持つモノが同じ割合でできるよね。
これを組み合わせるわけだ。まずは言葉で説明させてくれ。
考えられるパターンは次の4つだよな。
1.オスのMとメスのM
2.オスのMとメスのm
3.オスのmとメスのM
4.オスのmとメスのm
で、大切なのは1から4までのそれぞれのパターンはまったく同じ確率で生じると言うことだ。つまり理論的には4匹の子が得られるとすれば、それぞれの組み合わせで生まれる子が1匹ずつ。20匹の子が得られるとすれば、それぞれが5匹ずつということになるね。
わかりやすいように以下の表で考えてみよう。
<表1>
配偶子 | オス親 | ||
M | m | ||
メス親 | M | MM | Mm |
m | Mm | mm |
で、これに表現型を考えれば。MMとMmが優性でノーマルつまり茶色。mmは劣性でアメラニつまり赤。
<表2>
配偶子 | オス親 | ||
M | m | ||
メス親 | M | MMノーマル | Mmノーマル |
m | Mmノーマル | mmアメラニ |
と、こうなるわけだ。
したがって、ヘテロのノーマルどうしで交雑すれば
優性ホモMM:ヘテロ:劣性ホモ=1:2:1
の割合で子が得られるわけだ。パーセントで言えば優性ホモMM:ヘテロ:劣性ホモ=25%:50%:25%の確率となる。このような子の表現型の割合を「分離比」というから覚えておいてくれ。
ただ、優性ホモMMのノーマルとヘテロMmのノーマルは外見上、区別はつかないので、表現型としては
ノーマル:アメラニ=3:1=75%:25%
だな。つまり4匹に1匹はアルビノであるアメラニが得られるということになる。
こうやってヘテロ同士で交雑すると子の表現型は理論上、必ず
優性形質:劣性形質=3:1
になるわけだ。これは、ヘテロの親のもつ2種類の遺伝子のうち、どちらか一つしか子に受け継がれないことが理由なんだが、これがメンデルの法則の3つの法則の一つ「分離の法則」なんだ。
と、まあこうやって一つの形質に注目して遺伝は考えていけば良いんだな。
じゃ、次は二遺...え!?もうこんな時間??
うーん、日本一遺伝を教えるのが遅い教員かもしれんな。オレは。
じゃ、宿題の前に、今日のまとめをしておこう!というか、今回の授業はポイントは少ないよな!
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ただし、今日は宿題が多いぞー!
宿題1:以下の組み合わせで交雑させたときに得られる子の表現型の分離比を答えよ。
問1.ノーマル(ヘテロ)×アメラニ 問2.ノーマル(へテロ)×ノーマル(純系)
宿題2:コーンスネークの赤色色素の生成は赤色色素を作ることが「できる」と「できない」が対立形質になっていて、作ることが「できる」が優性である。この時、優性形質はノーマルで茶色であるが、劣性形質は赤がないため白黒のモノトーンになり、これをアネリスリスティック(アネリ)と呼ぶ。優性遺伝子がE、劣性遺伝子をeとした時、以下の各問いに答えよ。
問1. ノーマル(純系)とアネリとで交雑した場合、どのような分離比になるのかを、上の<表2>を参考にして、表を作って答えよ。 問2. ノーマル(ヘテロ)同士を交雑した場合、どのような分離比になるのかを、上の<表2>を参考にして、表を作って答えよ。 |
もちろん提出期限は次の記事のアップまで!!
はい、今日はココまで!!
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....
「起立。気をつけー。礼!」
「ありがとうございましたー」
1時間目・染色体と減数分裂
2時間目・ホモとヘテロ
3時間目・優性と劣性
両爬の色彩変異 白ヘビ様