爬虫類・両生類/ヘビの飼い方

ネズミ年だから、北米駄鼠蛇!(2ページ目)

新年企画!今年の干支にちなんで「ラット」スネークのススメ!...ムリは承知ですとも、ハイ。

執筆者:星野 一三雄

魅力伍段・・・野性味

ここからは上級編でしょうから、初心者は近づいてはいけません。
北米のラットスネークの最大の魅力は野性味であると、私は考えています。
ワイルドのアダルトなどは、いつまでもスパンスパン咬んできたり、シューシュー噴気音を出したり、ビチビチ尻尾で床を叩いたり、なんて個体もいます。
それが1.5とか2m近くになるんですから、そりゃ扱うときに緊張感があります。

しかし、前から言っているように、この緊張感がヘビ飼育の最大の醍醐味であると私は考えていますし、今回の記事では皆様に押しつけちゃいます。北米のラットスネークは荒い方が楽しいんです。

魅力師範代・・・地味

ハッキリ言って北米のラットスネークは「漢のヘビ」です。地味な体色こそ、このヘビの魅力なんです!許せても、モノトーンのリューシスティックまで!
というか、あの微妙な色合いの中に美しさを見いだす審美眼を身につけてこそ、です。

さ、いかがですか?これで、皆さんも北米のラットスネークを飼いたくなってきたでしょう?

じゃ、こんなストイックな魅力を持ったヘビたちをご紹介しましょう!

星野流・北米駄鼠蛇道・其ノ弐・種類

実は、さっきから「北米のラットスネーク」なんて書き方をしていますが、ネズミを食うヘビなら何でもいいわけじゃないですよ。ここで扱うヘビたちをきちんと線引きしておきましょう。
そもそも北米にはヘビは何種類いるのでしょう?

基本的に、北米にはヘビ亜目の爬虫類は130種程度分布していると考えられています。
その中でナミヘビ科が100種類くらい。さらに、英語で「Rat Snake」と冠されるのが以下の6種でしょう。他にもブルスネークとかゴファースネーク、あるいは飼育対象という考え方で枠を広げればガータースネークなども、その対象かもしれません。

ブルやゴファーはもちろん、魅力的ですばらしいし、ガーターも実にイイ!でもでも、北米駄鼠蛇道を極めんと欲すれば、やはりラットスネークにこだわりたい!
カワイイー!!ロザリアナメラ撮影協力:どうぶつ共和国WOMA+
そして、もちろんドウキョウナメラもロザリアナメラも稀少で渋く、トラペコもベアードもあの金属光沢は捨てがたい!しかし、いかんせん高い!!!!「ネズミ」ヘビという庶民的な響きからは遠いブルジョワの臭いがする!
するでしょ?ブルジョワの匂いが
ベアードラットスネーク

と言うわけで、北米駄鼠蛇道ではあえて扱いません!!つまり、私がここで薦めるのはプロレタリアートの味方、コモンラットつまりElaphe obsoleta 、そうオブソたちなのですよ!!
エモリーは元コーンだし...

種類初段・・・学名

さて、今回のおすすめであるコモンラットスネークElaphe obsoleta に関して、概説をしておきましょう。
おおっと、もしかして「学名が2002年に変わっただろ」なんて、野暮なことを言う方もいらっしゃるでしょうか?
確かに、仰せの通りElaphe 属は、2002年に細分化されてたくさんの新しい属名になりました。
我らがオブソも、コーンスネークと同じ属のPantherophis 属になって、種名もP. obsoletus になったわけです。
ただし、この新しい分け方は、今のところ日本両棲爬虫類学会は採用していません。

それに、北米のラットスネークに限らず、いわゆるラットスネークのファンというのは、コレクションとしてElaphe にこだわっている人も多いわけです。

ですのであくまで「エラフェ・オブソレータ」で行くのが北米駄鼠蛇道であります。

種類弐段・・・概説

コモンラットスネークは、北米を代表する中型のナミヘビです。
北米の西部を除く広い範囲に分布していて、人家付近でも姿を見かけるため、なじみが深いヘビのようです。ちょうど日本で言うところのアオダイショウやシマヘビのような存在です。
分布域が広いため、地域により変異が大きく、後述するように多くの亜種や地域個体群に分けられています。
全長は1-2m程度で、比較的細長い体型をしています。コーンスネークよりも尾が長く頭部もしっかりしている印象があります。

幼体時は亜種等により斑紋は異なりますが、大きめの黒褐色のブロッチが入りますが、成体になるとブロッチが薄れたり、縦条のストライプになったりします。
成体時の体色はさまざまで、これによって亜種や地域個体群の区別をします。

名前からわかるようにネズミを中心とした齧歯類を多く補食しますが、木に登って鳥類もよく食うようです。また幼体時はアノールなどの小さなトカゲもよく食べているようです。ネズミの話、ココだけ。

基本的に、昼行性のヘビですが、夏の間などは夜間に活動することも多いようです。また地表性ではありますが、よく木に登っている姿も見られるそうです。

卵生で、初夏に5-30個の卵を産み、2ヶ月程度で30-35cm程度の幼体が孵化します。
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