サンフランシスコガータースネーク
サンフランシスコガータースネークの基本的な知識
学 名:Thamnophis sirtalis tetrataenia 別 名:-英 名:San Francisco Garter Snake分 布:アメリカ合衆国(サンフランシスコ近郊のごく一部)全 長:90cm 最大140cm
数年前に大きくニュースで取り上げられて世界的にも有名になった、アメリカの美しいヘビです。
本亜種は、アメリカに広く分布するコモンガータースネークの1亜種です。コモンガータースネークは13の亜種があるとされ、北はカナダのケベック州から南はニューメキシコ州までの広い範囲に生息していて、アメリカを代表するヘビと言えます。
本亜種は、その中でももっとも分布が狭く、サンフランシスコの南にあるサンマテオ郡周辺でのみ発見されています。開発によって生息環境である良好な水場と餌になるカエルの減少から、本亜種の生息数は激減し、一説には野生個体数は1000頭や2000頭程度とも言われています。
本亜種が有名になったのは、2001年にサンフランシスコ近郊の鉄道工事現場で本亜種の死体が見つかり、調査のために工事を18日間中断し、鉄道会社が建設会社に107万ドル(1億3000万円)を支払った、というニュースが流れたことによります。そんな稀少ヘビだからでしょうか、アメリカではネット上でも、かなりの情報を得ることができます。もちろんアメリカでは野生個体は厳重に保護されています。
ガータースネークは亜種により、あるいは個体によりさまざまな斑紋や色彩パターンがあるのですが、本亜種は画像を見ればわかるように、非常に派手な色彩をしています。簡単に言うと緑がかった青色と黒、そして赤の三色のストライプが胴体に走っていて頭は鮮やかな緋色である、という感じです。鱗のキールは強くザラザラした感じに見えます。
餌となるカエルが多い湿地に生息しているのですが、現在はサンフランシスコ国際空港周辺など、生息地は数カ所しかないようです。昼行性で、水にもよく入り泳いでいる姿などが多く観察されています。動きは比較的素早く、捕まえられたりすると激しく動くタイプのヘビです。
食性はカエルを主食として、有尾類や魚類などを食べています。しかし、飼育下ではマウスを主食でも問題はないようです。
胎生で、春から秋にかけて交尾を行い翌年の夏に12-24(平均16)頭の幼体を出産します。
爬虫類ファンのみなさんなら何を今さら、という内容になってしまいましたが、とにかく稀少で美しいヘビです。ガータースネークの仲間は欧米ではペットとしては人気が高く、飼育技術も確立されているため、本種はその中でも別格のヘビです。
で、何がスゴイかというと、こんな稀少なヘビが、きちんとCB化されて、少ないながらも比較的コンスタントに流通していることです。ただしアメリカではなくEUでのCBですが。厳重に保護されていて、下手をしたら地球上に数千頭くらいしかいないと思われるヘビが、日本で10万円程度で入手でき、自分の飼育容器に入れて宝物にできるのですから。
いつか、こうやって私たち飼育愛好家が絶滅の危機に瀕する両生爬虫類の血を絶やさないことに貢献できるかもしれません。もちろん一歩間違えば、絶滅に手を貸すことにもなるのですが。
その気がある方は、ぜひペアで購入し国内でもCB化させてもらいたいところです。
赤っ恥をかかない程度の知識
- サンフランシスコ近郊のごく一部に生息
- 野生個体は厳重に保護されている
- 鉄道工事を18日間止めて1億3000万円を使わせた
- 非常に美しい
- 基本的に多湿環境に生息
- EUでのCB個体が比較的コンスタントに流通
- 非常に高価...かな?私は個人的に安いと思います
- 胎生
- マウスで飼育可能
サンフランシスコガータースネークの飼い方
飼育の基本情報〈飼育容器〉
普通のヘビよりも少し床面積が広めの飼育容器を使う
〈温度〉
日中は22-30℃、夜間はやや冷やした方がいい
〈照明〉
特に必要ないが、ホットスポットがあるといいらしい
〈床材〉
新聞紙、ウッドシェイブなど
〈容器内レイアウト〉
湿度保持を兼ねて大きめで体全体が浸かるような水容器が必須。登り木もあった方がいい
〈餌〉
冷凍マウスを解凍して与える。マウスに餌付いていない場合はカエルや小魚で餌付ける。CBしか流通しないのでたいていはマウスに餌付いている
〈基本的な世話〉
一般的なヘビの飼育に準ずる
飼育容器内は多湿にしない。容易に皮膚病などになるらしい
など
※掲載した情報は海外サイトを参考にしました。
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