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スッポンモドキは非常に大きい水棲ガメ! 基本情報と飼育方法を解説

今回は、スッポンモドキの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。スッポンモドキは、ウミガメのような姿で、特に熱帯魚ファンにも人気の水棲ガメ。非常に大きくなり、遊泳力も強いので、極めて大規模な飼育施設が必要になります。一般家庭での無計画な飼育は不可能でしょう。

執筆者:星野 一三雄

スッポンモドキの基本情報

スッポンモドキの基本情報と飼育方法

スッポンモドキの基本情報と飼育方法

スッポンモドキ
学 名Carettochelys insculpta別 名:ブタハナガメ英 名:Pig Nose Turtle, Fly River Turtle 分 布:ニューギニア島(インドネシア、パプアニューギニア)、オーストラリア(ノーザンテリトリー)甲 長:55cm以上 最大56.3cm

ウミガメのような姿で、特に熱帯魚ファンに人気の水棲ガメです。

CITESのリストでは以下の2亜種に分けられているようですが、実際にはほとんどこの亜種分けは支持されていません。

  • ニューギニアスッポンモドキCarettochelys insculpta insculpta ・・・ニューギニア島
  • オーストラリアスッポンモドキCarettochelys insculpta canni ・・・オーストラリア

背甲には大きな甲板がなく皮膚に覆われているのはスッポンに、一方でオールのような四肢はウミガメに似た特徴を持っています。顕著な斑紋はありませんが、幼体時には背中線に並ぶコブ状の突起が目立ちます。また若い個体では背甲の縁辺に淡色のスポットが並んでいる場合もあります。頭部は大きく、吻端の鼻孔が突出しています。目の後ろに不明瞭な白斑があります。

記録上での最大甲長は56.3cmですが、おそらく80cm近くになるだろうと考えられています。

比較的大きな河川や湖などに生息しており、ニューギニア島では汽水域でも見られることがあります。産卵のための上陸以外は完全な水生生活をしています。

食性は植物食中心の雑食性で、水草や落下した果実などを食べています。また雨季に時期には甲殻類など動きの遅い各種水生動物を食べているようです。

オーストラリアでは7-11月に産卵期を迎え、おそらく2回に分けて産卵を行うと考えられています。1回の産卵数は4-39個で、卵は直径36.2-46.0mmのほぼ球形です。30℃で64-74日で孵化し、甲長52.4-58.6mmの幼体が孵化します。

弊サイトを定期的にご覧いただいているみなさんならば、すでにスッポンモドキの持つさまざまな問題点はすでにご承知でしょうけども、いろいろな方がここを見て頂いていると思いますから、ちょっと箇条書きしておきましょう。

  • 非常に大きくなり、遊泳力も強いので、極めて大規模な飼育施設が必要になる
  • 一般家庭での無計画な飼育はムリ
  • 非常に安価で大量に輸入されていた時期があった(今でも数は減ったが、決して高価な生き物ではない)
  • アメリカなどでは大変高価
  • おそらくほとんどの飼育者は数年で死なせてしまっていて、消費的に飼育されていた
というわけで、いわゆる爬虫類好きの間では「スッポンモドキは飼育の対象ではない」「スッポンモドキはもっとも不遇なカメ」みたいな認識が浸透しています。

大量に本種のベビーが熱帯魚店で安価で売られていた頃というのは、現地で野生個体が産卵した卵を掘り出して、人工孵化させた個体が販売されていました。また生息環境の悪化もあり、野生個体群の減少が危惧されてきました。2005年にCITES II になってから、そして「スッポンモドキは家庭では飼えない」という認識が多少とも広がったことで、流通量も減少し改善はされましたが、それでもネット上を見ると安易に飼育をはじめただの、死なせてしまってかわいそうなことをしただのが氾濫しています。

まだまだスッポンモドキの受難は終わりそうにないのかなぁ。

とにかく、こちらを読んで下さったみなさんには「ああ、スッポンモドキってでっかくなるから家じゃ飼えないんだ」ということを知って頂ければと思います。

CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

赤っ恥をかかない程度の知識
  • 原産はニューギニアとオーストラリア北部
  • 2亜種に分けられることもあるが、支持されていない
  • 非常に大きくなり、遊泳力も強いので家庭での飼育は向かない
  • CBなどない
  • まだ、観賞魚店で衝動買いするすっとこがいるらしい
 

スッポンモドキの飼育方法

飼育容器
10cm程度の幼体で90cmクラス以上の水槽など。最終的には、最低で120cm以上、奥行きと高さが1m以上の水槽が必要

温度
低温に弱いため観賞魚用ヒーターで27-30℃に保温

照明
特に必要ないがフルスペクトルランプの蛍光灯を使う方がベター

床材(底砂)
特に必要はない

ろ過
水質の悪化に弱いので強力なフィルターが必要

容器内レイアウト
水深を十分にとる


植物質が多く含まれた観賞魚用の配合飼料。エビや貝なども食う

基本的な世話
ポイントは
  • 十分な水量を確保
  • 水換えは頻繁に行う
  • 同種の混泳はムリ。咬みつき合うことが多いらしい
  • 上部フィルターなどは固定しておかないと水槽外に水が漏れる事故が起きる
  • 拒食時は水換えをしたり、温度を上げたり、植物質(果実特にビワとかイチジクなど)を与えてみる
  • など
※「飼育の基本情報」は「ミズガメ大百科(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2(誠文堂新光社)」「クリーパー 2004No.24(クリーパー社)および海外サイトを参考にしました。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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