ニシキダイヤモンドガメの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Malaclemys terrapin macrospilota別 名:オルナータダイヤモンドバックテラピン、ニシキキスイガメ英 名:Ornate Diamondback Terrapin分 布:アメリカ合衆国のフロリダ半島西部甲 長:最大 23cm(種として)
アメリカの大西洋沿岸とメキシコ湾沿岸部に広く分布するダイヤモンドガメの亜種の1つです。
ダイヤモンドガメMalaclemys terrapin は日本でも英名のダイヤモンドバックテラピンで呼ばれる人気が高いカメです。名前のダイヤモンドは、背甲の椎甲板が六角形または八角形をしていることに由来します。内陸部に分布しないことからわかるように、主に河川の汽水域(海水と淡水が混じり合う場所)で生活していて、純海水中でも活動することが知られるためキスイガメとも呼ばれます。美しく観賞用として人気が高いのですが、かつては食用とされていて、実際に養殖もされていたそうです。
分布が広いために地域変異が大きく、現在は以下の7亜種に分けられています。
- キタダイヤモンドガメ Malaclemys terrapin terrapin ・・・基亜種。マサチューセッツ州からノースカロライナ州
- カロリナダイヤモンドガメ M. t. centrata ・・・ノースカロライナ州南部からフロリダ州北部
- テキサスダイヤモンドガメ M. t. littoralis ・・・ルイジアナ州西部からテキサス州西部
- ニシキダイヤモンドガメ M. t. macrospilota ・・・フロリダ湾からフロリダ州北西部
- ミシシッピダイヤモンドガメ M. t. pileata ・・・フロリダ州北西部からルイジアナ州西部
- マングローブダイヤモンドガメ M. t. rhizophorarum ・・・フロリダ半島先端のキーズ諸島
- フロリダダイヤモンドガメ M. t. tequesta・・・フロリダ州の大西洋岸
基本的に種としては背甲が暗褐色で、四肢と頭部が明灰色地に黒色の斑紋がある、という感じですが、本亜種の特徴として各甲板の中心に明色の大きな斑紋があり、そこが大きくコブ状に突出し、背甲の側縁部がオレンジ色になり、四肢と頭部が水色がかってくることが特徴とされています。ただし、各亜種の特徴は不確定で、個体差も大きく絶対的なものではありません。
海岸線の湿地やマングローブ帯など海水の影響が大きい場所で生活をしています。
初夏に産卵を行い、1シーズンに2-5クラッチに分けて4-22個の卵を産卵します。卵の大きさは26-42×16-27mmで、自然下では61-104日で孵化します。孵化した幼体の甲長は25-34mmです。
主に肉食が強い雑食であり、自然下ではスカベンジャーつまり動物の死体などを食べていると考えられていますが、二枚貝をよく食べることも知られています。
非常に独特で美しい色彩をしたカメですので、私もかなり昔から憧れている種類です。本来はカロリナやキタの2亜種は流通量も多いそうなのですが、亜種を問わずあまり見かけることがないような気がします。「海水が必要」と思われていて敬遠されているのでしょうか。
もちろん他のヌマガメ類とは要求する環境が異なるので、一緒に飼育することができませんので仕方ないのですけど。
赤っ恥をかかない程度の知識
|
ニシキダイヤモンドガメの飼育方法
飼育容器大きさによって60~120cmクラスの水槽や衣装ケースなど。
温度
25℃を下回らない程度に保温。夜間は20~21℃。ホットスポットは30℃
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
特に必要なし
容器内レイアウト
幼体時は背甲の高さの2倍以内の水深、成体時は20~30cm程度の水深の水場と完全に乾燥した陸地
餌
配合飼料で良い
基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法であるが、特に
- 海水は必要ないが、輸入直後のWC個体の場合は人工海水で半海水を使って慣れさせると良い
- やや水質に敏感なので古い水ではなく新しい水を使って、なるべく清潔を保つ
- など
【関連記事】