さて、前回に引き続きカエルのツボカビ症対策の中編です。
今回は、飼育している両生類たちがツボカビ症に感染しないようにするための方法について考えてみました。
ツボカビ症の予防
まずは、自分の飼育しているカエルがツボカビ症にならないようにするための対策を考えてみましょう。そのためには、とにかく菌を飼育施設に持ち込まないことが重要です。
つまり「検疫」と「消毒」です。
検疫
つまり、新規に導入する個体がツボカビ症に感染していないかハッキリするまで、隔離して飼育することです。これは、今後海外から輸入されたカエルを購入する場合は必須になります。ただし、多くの責任ある卸業者さんやショップさんでは、新規に輸入された両生類に対して検疫を行い、感染していないことが確認されてから販売するという方法をとっています。
検疫期間
前回に書いたように、ツボカビ症に感染した場合は長い場合で5週間ほどは命を落としません。この期間から考えるともう少し余裕を持って2ヶ月間ほどは隔離して様子を見た方が良いでしょう。
ポイント・検疫期間は2ヶ月
検疫期間中の注意
また、その間は検疫中のカエルの世話は完全に別に行います。つまり飼育器具や水にツボカビの遊走子などが付着することが考えられますので、それらを介して健康なカエルたちの飼育容器などにツボカビが入り込まないようにしましょう。特にうっかりピンセットを共用しないようにしたり、検疫中のカエルを世話した後に、手を消毒せずに健康なカエルの世話をしないようにします。
検疫中はできればディスポーザブル(使い捨て)のゴム手袋を利用した方が安全です。
ポイント・検疫期間中は器具を共用しない
ポイント・検疫中の個体を世話した後は手を消毒する
オタマジャクシの検疫
あまり考えられるシチュエーションではありませんが、オタマジャクシの導入には注意が必要です。カエルのツボカビはオタマジャクシにももちろん感染しますが、その場合は皮膚に寄生するのではなく口唇に寄生します。
カエルのツボカビはカエルの体表のケラチンを栄養源としています。オタマジャクシの皮膚にはケラチンは非常に少なく、口唇にしかありません。ですからオタマジャクシのツボカビ症は口唇限定なわけです。そうすると発症しませんので、検疫をしていても感染しているかどうかわかりません。
そう考えればオタマジャクシの新規導入は、変態して陸上生活に移ってから2ヶ月間は様子を見る必要があるわけです。
ポイント・オタマジャクシの検疫は変態上陸してからプラス2ヶ月