トゥルカナハコヨコクビガメの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Pelusios broadleyi別 名:-英 名:Turkana Mud Turtle分 布:ケニアのトゥルカナ湖甲長:15cm前後
アフリカの曲頸類であるハコヨコクビガメの仲間の一種です。ケニアとエチオピアの国境にあるトゥルカナ湖の固有種で、世界的に見ても流通したことはないらしく、2006年の秋に日本で少数が流通し話題になりました。
本種が分布するトゥルカナ湖は琵琶湖の10倍ほどの面積(南北250km、東西40km)の湖で砂漠に近い環境にある湖としては世界最大の湖です。青色が美しい、いわゆるアフリカンシクリッド(熱帯魚)の故郷であるタンガニィカ湖やマラウィ湖と同様にアフリカのグレートリフトバレー(大地溝帯)由来の湖であり非常に歴史が古い「古代湖」であると言われています。そのため本種のような固有種が多く生息しています。また他のアフリカの湖のようにアルカリ性の湖です。青緑色が非常に美しく「翡翠湖」とも呼ばれ、砂漠の中の大きな水場としてさまざまな哺乳類や鳥類の生息を支えている湖でもあります。また非常にナイルワニが多く生息している湖としても知られています。
周辺のケニアの国立公園とともに1997年に世界遺産にも登録され、一躍有名になりましたが、交通の便が非常に悪くケニアの首都のナイロビから車でも3日ほどかかるため観光客もあまり訪れないような場所です。このような場所でもあり、さらに湖の北岸付近は反政府ゲリラなどもいるため、本種は流通はおろか採集して研究されることも少なかったのです。もちろん野生動物の保護に力を入れていて輸出に厳しい規制があるケニアの生き物ですので、まさに幻のカメと言えるでしょう。
背甲は比較的扁平で、背中線に一本のキール(稜線)が発達しています。写真ではちょっとわかりにくいのですが、背甲は黄褐色地に細かな放射状の黒色斑紋が無数に入り、頭部には虫食い状の不規則な斑紋が目立ちます。腹甲は黒褐色で、オスは中央部が凹み、柔らかくなっています。
ハコヨコクビの名前からもわかるように腹甲の中央にヒンジ(蝶つがい)があり
、腹甲の前半分が可動性で頭部を保護するのに役立っているようです。またノドには比較的大きなヒゲ状突起が一対あります。
生活史はほとんど知られていませんが、孵化時の幼体の甲長は25mmであり、飼育下では魚の肉を食べたそうです。
ま、私はよくわからんかったんですが2006年10月に、おそらく世界初であろう本種の商業的流通が実現しました。しかも日本で。もちろん世界的に貴重な生き物であり、それが流通したことを手放しで喜んで良いのかどうかはいろいろな意見があるでしょう。とにかく、本種を飼育できるような機会に恵まれた方は繁殖までも見込んで大切に飼育をして欲しいものです。いつかは外国のカメファンたちから「おい、日本人がトゥルカナのCBに成功したってよ...」って注目されるような日が来ることを祈りたいと思います。
でも、こうやって勉強してみると、あまり大きくならないみたいですし、四肢や頭部がガッチリしていてカッコカワイらしいカメさんではあります。魅力的ですね。
赤っ恥をかかない程度の知識
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トゥルカナハコヨコクビガメの飼育方法
飼育容器60~90cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど
温度
20~28℃程度に保温
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
必要なし
容器内レイアウト
水深は甲長程度。陸場は市販の浮島などを使えばよいと思われる
餌
餌付けば配合飼料でよいが、肉食傾向が強く、淡水魚の肉などから餌付けるといいかもしれない
基本的な世話
多くの水棲傾向が強い水棲ガメに準ずる
- 他のヨコクビガメ同様、気が荒い個体が多いと思われるので、複数飼育は避けた方が無難
- 低温には弱いと思われるので注意
- 比較的活発に動き回る種のようなので、床面積は広くとりたい
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