とりあえずの注意
今回、日本でツボカビ症が発見されてしまった事実から、日本爬虫両棲類学会等の各種学術団体などが連名で「カエルツボカビ症緊急事態宣言」を出しました。それ程ことは重大であるということです。そこでここでは、私の記事を読んでいただいた方に、今後どのようなことに注意すべきかを箇条書きにしました。
- 飼育している両生類(国外種はもちろん国内種も)を野外に逃がしたり、むやみに野外に出さない
- 飼育している両生類の体調に異変が起きた場合は感染を疑って獣医師などに相談をする。相談できる獣医師がいない場合は、私・星野あてにご相談下さい
- 飼育している両生類が死んでしまったら、焼却処分か密閉したビニール袋で生ゴミに出す。絶対に埋めたりしてはいけない
- 死んでしまった両生類の飼育ケースなどは消却・消毒を行う。また飼育に使っていた水、ケースを洗うのに使った水は市販の塩素系漂白剤で消毒してから捨てる
- 両生類が生息するフィールドに出る場合はツボカビの伝播をしないように注意する
- フィールドから不必要な両生類の持ち帰りをしない
- 新しく両生類を購入する場合は、感染していない個体を購入し60日間程度、他の個体と隔離して検疫を行う
また、まだ確実とは言えないのですが、感染してしまった個体に対してかなり有効な治療法なども確立しつつあるそうなので、飼育しているカエルを手放したり飼育をあきらめたりする必要はありません。
その治療法に関しては、機会を改めて紹介しようと思っています。
とりあえず、今回の記事はこれくらいの情報を紹介させていただきます。
最後になりましたが、ツボカビに関しては1998年の発見以来、世界的に問題になっていましたので、国内でも多くの研究者の方や獣医師の先生方など多くの方が「国内侵入」という有事の際を想定していましたので、かなり冷静に対処できています。ですから国としての対策も後手に回らずに順調に進みつつあるそうです。したがって緊急に両生類の国内への輸入がストップするとか、そういう心配は今のところはないようです。
ただし今後、私たちのような飼育者がこの事実を甘く見ていい加減なことをしてしまったりしたらどうなるかわかりません。十分に注意していきたいものです。
なおカエルのツボカビ症に関しての情報は、これからも随時お知らせしていきます。
<参考サイト>
WWFジャパン
<関連記事>
ツボカビ症の対策1・診断と治療
ツボカビ症の対策2・検疫と消毒
ツボカビ症の対策3・日本のカエルを守るために