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モトイボイモリの基本情報と飼育方法……温度や床材は?

今回は、モトイボイモリの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。以前はミナミイボイモリと混同されていましたが、モトイボイモリはオレンジ色が強いです。水中生活に対する依存性が高いようで、特に初夏から夏にかけての産卵期はほとんど水中で生活をしています。

執筆者:星野 一三雄

モトイボイモリの基本情報

モトイボイモリの基本情報と飼育方法

撮影協力:ワールドワンアニマル(於:九州レプタイルフェスタ)

モトイボイモリ
学 名Tylototriton verrucosus別 名:アメイロイボイモリ、ベルコッサスイボイモリ英 名:Himalayan Crocodile Newt,Red Knobby Newt分 布:中国雲南省最西部、ネパール東部、ブータン、インド、ミャンマー北部、タイ、ベトナム北部全 長:125から200mm

以前はミナミイボイモリと混同されていましたが、本種のオレンジ色が強いタイプが別種ということになり1995年にミナミイボイモリTylotriton shanjingが別種として独立しました。
 

ミナミイボイモリとは主に体色で区別され本種の方が橙色の部分が淡く、別名でもあるアメイロ(飴色)のような感じです。また体側の肋骨に由来するイボ状突起の後肢から後ろの数が、ミナミイボイモリでは4個ですが、本種では2-3個の場合が多いということも区別点のようです。
 

分布が非常に広く、比較的生息環境も多様で産卵場所である水場も小さな水たまりから湖まで利用しています。またミナミイボイモリの仲間の中で、特に水中生活に対する依存性が高いようで、特に初夏から夏にかけての産卵期はほとんど水中で生活をしています。

水温が18℃以上になると繁殖行動を開始します。発情したオスはメスを誘って精子の入った精包をメスに取り込ませて体内で受精させます。受精卵を持ったメスは36時間程度で産卵を開始します。本種は沖縄のイボイモリとは異なり完全に水中で産卵を行います。飼育下における産卵数の記録は30-150個ですが、300個の卵を産んだ記録もあるようです。卵は25℃で11-12日で孵化し8-9mmの幼生が生まれます。幼生は5-7cm程度に成長をすると変態して上陸します。


イボイモリの仲間は、とにかく動かなくてつまらない生き物だと、いつも私は言うのですが、本種のように水中生活が多い種類は、ちょっとおもしろそうです。比較的高温にも強そうですし、おすすめかもしれないかな、と。ちなみにミナミイボイモリは中国で保護の対象になっていますので、流通量が激減しましたが、本種は中国国外にも分布していますので、これからのミナミイボイモリの仲間の主流になるかもしれません。

IUCNによるレッドリストの絶滅危惧II類。中国の国家重点保護野生動物第2級。

 

モトイボイモリの飼育方法

飼育容器
通常は30から45cm程度のガラス水槽やプラケースでいいが、必ずしっかりとフタができるものを使う。繁殖期には一回り大きい容器を使う。

温度
夏場は25℃を上回らないようにする。冷却の工夫ができるようにする。冬場は12℃を下回らないようにする。

照明
特に必要なし

床材
焼き赤玉土・水苔・ヤシガラ土など湿度を維持できる素材。湿度を維持できるのならば大磯砂も可。

容器内レイアウト
水容器とシェルターを設置する。繁殖を狙うならば陸地と水深25cm程度の広い水場を作る。


コオロギ・ミールワーム・ハニーワームなどの昆虫。配合飼料を食うのならばそれでも良い。ミミズも良いが釣り餌用は避けた方が良い。

基本的な世話
いわゆる有尾類の飼育方法
  • 皮膚病に注意
  • 狭い容器での複数飼育は避ける
  • など
※「飼育の基本情報」は以下のサイトや海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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