ウーパールーパーとは

最初の編集さんではありませんが、そもそもウーパールーパーって何者だったんでしょう?
品種は、いわゆる「ゴールデン」
メキシコサラマンダー(アホロートル)つまり「ウーパールーパー」
写真:ウーパールーパー前線要塞基地

「ウーパールーパー」は、先述したようにあくまでも宣伝のための造語であります。生物学上の正確な分類では、両生綱(両生類)の一種でイモリやサンショウウオの仲間である有尾目に分類されるメキシコサラマンダーAmbystoma mexicanumといいます。またアホロートルとも呼ばれますが、これは生息地であるメキシコの言語であるナワトル語で「水の犬」を意味する「Axolotl」をスペイン語読みにしたものです。本来は、本種の仲間であるマルクチサラマンダー科の幼生を指していましたが、 欧米各国では、本種の幼生を指すようです。ですから、ここからはアホロートルと呼ばせて下さい。

野生のアホロートルはメキシコの中央部のソチミル湖とその周辺の運河、およびチャルコ湖に生息しています。しかし現在では、現地での食用のための乱獲が原因で、多くの生息地で絶滅してしまい、ソチミルコ湖と周辺にしかいません。
全長は意外に大きく18cmから25cm程度になります。食性は肉食性で、自然下ではよくわかっていませんが、昆虫類や魚、底性生物などを食べていると思われます。
繁殖は卵生で、一度に200から600個ほどの卵を産みます。
野生個体の多くが絶滅しているため、自然下での採集は禁止されており、CITES(ワシントン条約)の附属書II類に掲載されており、国際的な商取引は制限されています。
※CITESに関しては以下の記事をお読み下さい。
速報!CITES from All About 両爬サイト

一方、さまざまな実験動物として優れた特徴を持っているため、100年以上も前から変態ホルモン、神経、再生、生化学、解剖学、発生学などのために飼育繁殖されており、繁殖された個体が実験用・ペット用に流通しています。

アホロートルの特徴

目が赤いのが特徴
アルビノのアップ
写真:ウーパールーパー前線要塞基地
ウーパールーパーとしてのアホロートルの形態は
・色が白っぽい
・首のところに3対の突起がある
・手足のある魚のように見える
というところですが、これは何を意味しているのでしょう?

両生類というのはカエルの例でわかるように、幼生の時代はオタマジャクシのように水生の生活をしています。そして亜成体になると陸上に上陸して、陸上生活に適応できるように体のつくりを劇的に変化させます。これを「変態」といいます。
ところがアホロートルは、理由は諸説いろいろあるのですが、なぜか変態をせずに幼生の形のまま性成熟をして成体になってしまうことが多いのです。このことを幼形成熟(ネオテニー)といいます。これはメキシコサラマンダー以外の両生類にも見られるのですが、なぜかメキシコサラマンダーには多く見られたのです。
アホロートルの形態の特徴である「首のところに3対の突起がある」というのは、実はネオテニーして、消失せずに残った「エラ(外鰓)」なのです。
また「手足のある魚のように見える」のは水生生活から陸上生活への移行の途中で変態が止まってしまったためです。

アホロートルの色

さらに「色が白っぽい」のは、ウーパールーパーとしてのアホロートルが「色彩変異個体」であるからです。
※両爬の色彩変異に関しては以下のリンクの記事にわかりやすく書いてあります。
両爬の色彩変異 from All About 両爬サイト

メキシコサラマンダーは、本来黒褐色の地味な体色をしているのですが、流通していて見慣れたアホロートルは全身が白くて目が黒い「ルーシスティック(白色個体)」と、全身が黄色っぽく目が赤い「アルビノ(アメラニスティックス・黒色色素欠乏)」が主です。

アルビノと異なり目が黒い
ルーシスティックのアップ
写真:ウーパールーパー前線要塞基地
アホロートルのルーシスティックは、パリにあるパリ植物園(ジャルダン・デ・プラント)で突然変異で生まれた1匹のオス個体が由来であり、現在の世界中にいるルーシスティックのアホロートルは、すべてこの個体の子孫に当たるそうです。

一方、アルビノはかつては自然下でも比較的多く生息したという情報もありますが、現在目にするアルビノは、実は純粋なメキシコサラマンダーではなく、1950年代にアメリカでトラフサンショウウオ(タイガーサラマンダー)のアルビノと掛け合わせて作られた異種間雑種だそうです。
そう考えてみると、ウーパールーパーのCMソングにある「UFOからやって来たんだ」という、地球外生命体の例えというのは、あながち当たらずとも遠からず、という感じです。地球外生物いうより、むしろ人造生物だからサイボーグ?
サイボーグかどうかは別にして、100年以上も実験動物や愛玩用として飼育繁殖されてきたわけですから、アルビノやリューシなど以外にも30品種もの色彩や斑紋のバリエーションが知られています。