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映画『小さき勇者たち~ガメラ』(2ページ目)

両爬映画レビュー記事の第2弾です。今回はカメ関係で2006GWのビッグタイトル『小さき勇者たち~ガメラ』です!実は星野が特撮オタクであることも判明...(C)2006「小さき勇者たち~ガメラ~」制作委員会

執筆者:星野 一三雄

『ガメラ』イイところ、イマイチなところ

あくまでも私見ですが、今回の映画『小さき勇者たち~ガメラ』を観て感じた、感想の良いところとイマイチだったところを簡単にご紹介しましょう。

<イイところ>
・ストーリーがキチンとある
ストーリーというか、テーマがしっかりとしています。特に平成ガメラシリーズは、ストーリー性というよりもリアリティとか、特撮技術とか、ガメラのかっこよさとかが重視されていました。今回のガメラは大人も子供もちゃんと映画として楽しめる映画です。普通の人だったら泣けます。逆にファンタジー色が若干ありますので、リアリティに欠ける部分もありますが、その辺のバランスが絶妙でした。
ストーリーは練りに練って、という感じではありませんが、安心して観ることができる物語の映画でありました。

・特撮技術は平成ガメラのレベルとセンスを維持
驚愕の特撮だった平成ガメラ三部作と同様に、今回のガメラも特撮技術は見事です。もちろんCGも多いのですが、そこに頼っていない部分は、さすが特撮大国ニッポンです。

・隠れたテーマはノスタルジー
前半の舞台である伊勢志摩の古い街並みや昔ながらの子供たちの日常、あるいはところどころに散りばめられている歴代ガメラシリーズへのオマージュやパロディなどは明らかに制作者側にノスタルジーがあります。ストーリーは昭和ガメラへの回帰でもありますし。
昭和ガメラの「ガメラは子供の味方」を否定していた自分をちょっと反省してしまいました。

・敵怪獣・ジーダスがイイ!!
海魔獣ジーダス
©2006「小さき勇者たち~ガメラ~」制作委員会

今回の私の一番のお気に入りは、ガメラと人類の敵である海魔獣・ジーダスです。
たぶん、多くの方が「いかにも中に人間が入っている、って感じで変」と思うかもしれません。しかしゴジラでもガメラでも、あるいはテレビでの特撮番組でも「異形」あるいは「わけのわからん形態」の敵キャラクターが多くなった昨今、ジーダスのような人間チックな怪獣は、凶悪な存在としての感情移入が非常にしやすく感じました。
久しぶりの「凶悪怪獣」でした。特にガメラを蹴りまわすシーンなんて...シビれましたよ、私は。

<イマイチなところ>
・ガメラの着ぐるみは、ちょっとね...
たぶんメインのテーマに子どもをおいているので、仕方のないことでしょうし、子どもや女性の観客には「カワイイ」と評判が良さそうですから仕方ないのかもしれないのですが、やはりガメラの着ぐるみがあまりにも子どもっぽすぎです。
他の特撮部分は、十分なレベルなので主役であるガメラがちょっと違和感です。せっかく肌の質感とか、良い感じなんだからせめて眼球の黒い部分をもう少し多くして欲しかったなぁ...

と言うわけで、新しいガメラ「小さき勇者たち~ガメラ」は、特撮映画ファンだけでなく、GWらしく家族みんなで観て、十分に楽しめる映画であると私は結論付きました。

一般の方へ向けたレビューはこれくらいにして、次はいよいよ両爬ファンの方に向けた「ガメラ」映画の見どころをご紹介しましょう!
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