爬虫類・両生類/両生類・爬虫類の飼い方

Part1 脱走事案集(2ページ目)

以前に記事にした「増加する遺棄・脱走・保護事案」の後編のつもりで「脱走」について書き始めてみましたが、数回にわたってしまうようであります。今回は脱走の事案を紹介してみました。

執筆者:星野 一三雄

脱走の事案

さて、それでは脱走を防止するために、脱走の事例を見てみましょう。以下のページでもいろいろな脱走事例がありますが、ここではあえて自らの恥をさらすことによって皆さんに注意を喚起したいと思います。そう。偉そうにこんなことを書いている私・星野の現実にあった脱走事例の「数々」です。両派の神様、こんな愚かな私を罰してください...

事案1:初めての脱走・ヤマカガシ編
小学校5年生のときです。近くの小川で生き物を探していたら、大きなベニヤ板が放置されていました。
「こういうのの下には、いろいろな生き物がいるんだよねぇ」
と考えた私が、板をはぐってみると1mほどのヤマカガシが出現。当時は毒があるってことを「信じていなかった」ので、捕まえて飼育することに決定。ところが当時は、あまりまじめに生き物の飼育をしていなかったので飼育容器がありませんでした。
そこで1cmほどの目の大きさの金網を前面に張った木の箱で飼育をし始めました。
ええ、そりゃもう数時間でその網の目を通って逃げられましたよ。
どう考えても網の目の大きさはヘビの太さよりも小さかったのですが、脱走後によく見ると一つだけ真円状に広げられたような目を見つけました。どうやらヘビは強引に金網の目を押し広げて脱走したようでした。

事案2:そりゃ、ダメだろう衣装ケース・サキシママダラ編
本格的にヘビを飼育するようになった直後の30歳前後の頃です。
宮古島でサキシママダラと運命の出会いをしたのですが、それを一回だけ脱走させてしまいました。飼育容器は衣装ケース。衣装ケースのフタに目の細かい金網を張ったのですが、この方法がまずかったです。「はんだごて」で金網をフタに埋め込んで溶接したわけです。
が、これは一週間でサキシママダラに内側からはがされてしまいました。以来、衣装ケースに金網を取り付けるときは木枠とネジで取り付けるようにしました。ちなみにサキシママダラは二ヶ月後に無事に発見できました。

事案3:プラケのフタをこじ開ける!・アカマタ編
これも先のマダラと同時期の失敗です。1mほどのアカマタを某一流メーカーの標準サイズのフラットプラケで飼育していたのですが、一度脱走されました。そのときはフタが脱走された翌朝に見るとずれていたので、フタを閉め忘れた、あるいはフタのツメをしっかりと咬ませなかったことが原因だと思っていました。数日後にアカマタを発見し、同じプラケで飼育を再開しました。もちろん、今度こそフタはガッチリと閉めました。そりゃもう間違いなく。
しかし翌朝に全く同じような状況で脱走されていました。間違いなくアカマタが内側からフタを押し開けたのです。すごいパワーを発揮するものです。ちなみにこれも発見したのですが、ガンガン咬まれて血まみれになりました。

事案4:閉め忘れ...そして悲劇・アムールラット編
これは実は昨年であります...恥
友人から譲ってもらったアムールラット(カラダイショウ)の幼蛇を普通のプラケで飼育していました。しかし、飼育個体の数を増やしすぎてしまったのでしょう。世話がついつい急いで、うっかりしてしまいました。エサを与えた後にフタを閉め忘れてしまいました。
もちろん逃げます。脱走後数日経って、異常に気づきました。同じ飼育部屋で飼育しているアムールカナヘビの数が少なくなっているのです。すわ、アムールカナヘビまで脱走か、と冷や汗をかきました。
さらに数日が経過してアムールカナヘビの数が残りわずかになったある日、カナヘビのケース内にあるシェルターをどけてみると、なんとそこに脱走したアムールラットが...どうやらアムールカナヘビはアムールラットに食われてしまっていたようでした。どうりで、部屋のそこかしこにヘビの糞が落ちているわけでした。
問題の我が家のアムールラットその人
アムールラット(カラダイショウ)


以上が、私のヘビ脱走の失敗談です。幸い、最初のヤマカガシ以外はすべて捕獲できましたし、失敗経験を無駄にはしていません。そしてさらに皆様に同じような失敗を繰り返してほしくないと思い掲載してみました。

その他の事案

なおトカゲの脱走の例は少ないし、私の飼育しているトカゲたちはあまり皆様の参考にはならないと思いますが、やはりカナヘビなど立体活動が得意な種類は小型であっても高さが不十分であると、ジャンプして脱走します。また地上性種でもケース内に配されたアクセサリーを利用して巧みに脱走しますので注意が必要です。

カメの脱走は基本的にはないのですが、今まで聞いた話では以下の3例があります。
・二匹のミドリガメを日光浴させていたら一匹の背甲を使って逃げた
・屋外の池で飼育していたら、大雨の洪水で逃げた
・庭でロシアリクガメを日光浴させていたら穴を掘って柵の外に逃げた

両生類は脱走の達人ですから、最初から脱走を想定して飼育している場合も多いし、力もそれほど強くないのですが、やはり有尾類は通常の不活発さから油断をしてしまうようで多少の事例を耳にします。基本的にはプラケースを上ってフタの隙間から逃げた、ガラス水槽の角を上って逃げた、という例が多いようです。両生類は脱走したらほとんど干からびて死んでしまいますので脱走された方も、した方も不幸な結果に終わります。

その他、以下のページにも参考になる脱走事例が紹介されていますので、参考にしてみてください。

次回は「脱走防止」の具体的な方法をご紹介したいと思います。

<関連記事>
爬虫類飼育コトハジメ・その「覚悟」と「心がまえ」from All About
プラケ新事情from All About
増加する遺棄・脱走・保護事案from All About

<参考サイト>
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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