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カクレガメ

曲頚類の第3弾は、ちょっと変わった名前のカクレガメです!

執筆者:星野 一三雄

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カクレガメ

学 名Elusor macrurus 英 名:Mary River Turtle分 布:オーストラリアのクイーンズランド州のMary River(メアリー川?)にのみ生息甲長:34cm

薄く円形に近く美しい背甲、そして放射状に広がる背甲の後縁。見るほどにカッコよく、こんなカメもいるのかとため息が出てしまいそうなフォルムのカメですが、こんなのは飼えません。いや、きっと飼育してはいけないのでしょう。

この変わった曲頚類・カクレガメは、その名の通り幼体の発見から20年の間、生息地がわからず成体が発見されなかったカメです。結局成体の標本が得られたのは1994年のことです。唯一知られている生息地であるオーストラリア東部のクイーンズランド州にあるメアリー川は水質の汚染なども進みはじめており、絶滅が危惧されています。

生息環境は水生植物が繁茂していたり、大きな岩があるような流れのある場所です。幼体時は水生昆虫や淡水カイメンを主食としていますが、成体では植物食に片寄り、胃内容物の80%が藻類であったという報告があります。成熟はメスが甲長23cm、オスは31.5cmが平均とされ、10月中旬から11月までが産卵期です。一腹卵数は12~15個で、最大で25個という報告があります。卵は平均して3.5×2.3cm、11.6gの楕円形で、29℃で46日間をかけて孵化します。自然では2月まで孵化したての幼体が見られるそうです。他のカメに見られるような温度依存性決定(TSD)は確認されていません。成体の性比はおよそ1:1.28だそうです。

と、まあちょっとマジメに書いてみましたが、ただでさえ野生動物の輸出を認めていないオーストラリアの絶滅危惧種ですから、流通していることだけでも驚きです。ですから、もちろんよほどのマニアでなければ買えないほど高価ですし、日本という環境での飼育方法の情報なども皆無といってもいいでしょう。

<参考サイト>
Mary River Turtlefrom Australian Museum Online(オーストラリア博物館)(英語)
DEH Species Profiles -Elusor macrurus-from Australian Government Department of the Environment and Heritage(オーストラリア環境遺産省)(英語)

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カクレガメ
写真提供:Herptile Lovers
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