去る1月20日に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下「特定外来生物法」)の第2回専門家会合(爬虫類・両生類)が行われました。
今回の議題はズバリ「規制対象種の指定」です。
今回は、その結果と今後の予定を、もう一度わかりやすく解説していきましょう。
その前に、もう一度ここまでの総復習をしておきましょう。
初めての「外来生物法」
パブコメ結果!
「外来生物法」ご意見募集!
両爬専門家会合開始!
第1回両爬専門家会合結果!
なお、すべての規制の対象になる種を最終的に決定するのは環境省であり、あくまでも今回の会合の結果というのは「候補」でありますが、環境省に今回の専門家以上の知識や知見を持っている人がいるとは考えられませんので、これでほぼ決定と考えていいでしょう。
規制対象種
今回の会合で決まり、特定外来外来生物として規制の対象になると考えられるのは・カミツキガメChelydra serpentina
・グリーンアノールAnolis carolinensis
・ブラウンアノールAnolis sagrei
・ミナミオオガシラBoiga irregularis
・タイワンスジオElaphe taeniura friesi
・タイワンハブProtobothrops mucrosqamatus
・オオヒキガエルBufo marinus
の7種です。注目であったミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)とウシガエルは今回は指定されなかったようです。
これらの7種の両爬は、ほぼ確実に「特定外来生物」として指定され、6月の法律施行後は「無届けでの飼育・繁殖・譲渡・販売・移動・輸入ができなくなり」ます。
前回の記事(Part5)ではカミツキガメとブラウンアノールに関して解説しませんでしたので、ここで補足的に解説しておきましょう。
・カミツキガメ
解説の必要はないくらいに有名になってしまった北米から中米に4亜種に分かれ分布している大型のカメ。甲長は50cm程度で34kgの記録があるらしい。過去にペット用に安価に、大量に流通し遺棄された個体がいる。特に千葉県印旛沼では繁殖まで確認されています。
在来のカメよりもずっと大きいため、生態系に対する影響も大きいと思われ、何よりも咬む力が強いため、何も知らない人にとっては危険性が高い。いわゆる動管法で危険動物に指定されていますので、すでに飼育は許可が必要です。
・ブラウンアノール
体長50~70mm程度の大きさのイグアナ科の小型のトカゲ。原産地はジャマイカやキューバなどの中米諸国。日本での帰化の例はないが、アメリカのフロリダ半島で分布を広げているらしく、グリーンアノールと同様の帰化の危険性がある。