爬虫類・両生類/両生類・爬虫類関連情報

Part6 ほぼ決定!規制対象種(3ページ目)

ついに「特定外来法」で飼育や流通などが規制される両爬が事実上決定しました。その詳細を、できる限りわかりやすく解説してみました。「関係ないや」と思わず、頑張って読んでみて下さい。

執筆者:星野 一三雄

これからの予定

今回の専門家会合で、両爬の特定外来生物の選定は、とりあえず一段落したことになります。
以降の流れをまとめておきましょう。

1.全体専門家会合(1月31日)
2.全生物群の特定外来生物のリスト(案)発表
3.パブリックコメント募集
4.パブリックコメントの意見の検討
5.閣議で決定
6.法律施行(6月)


という順になります。

もっとも気になる、現在飼育中の個体の登録に関してですが、現在までのところは、その方法等に関しては情報はありません。
未確認の情報ですが、飼育中の個体に関しての登録は無料であろう、とのことです。
私の家にもタイワンスジオとグリーンアノールがいますので、方法がわかったらすぐに登録をしに行くつもりです。

また、この記事を書いている時に驚くべきニュースが入ってきました。
みなさんもご存じだと思いますが、今回の法律の大きな目玉であったオオクチバス(ブラックバス)が、専門家会合では「特定外来生物に指定しない方向」ということであったのを、小池環境大臣が「オオクチバスは特定外来生物に入れるべき」という意向を示し、一転して「オオクチバスが特定外来生物として規制される」ことになった、というものです。

難しい問題なので、コメントは別の機会に書くつもりですが、仰天しました。まさに「鶴の一声」。大変なことになりそう予感...

私たちがすること

個人的な感情は抜きで、あくまでも私たち愛好家がやっていかなければいけないことを考えてみましょう。
正直、今回はカミツキガメが入らなければ、飼育者の数はそれほど多くないので話は簡単でしたが、そうもいかなくなりました。

意見はパブリックコメントへ
今回の結果は、あくまで規制の「第一陣」であります。
今後、どのような種が入るかはわかりません。
事実サソリは人気のデスストーカーやファットテールを含むキョクトウサソリ科全種が特定外来生物として指定される見込みです。
これはサソリファンにとって、その趣味を続けることができないことを意味するのと同じでしょう。ですからもちろん納得しにくいし、意見もあるに違いありません。両爬だってどうなるかわかりません。
また、両爬ファンの中では少数派ではありますが、グリーンアノールが入ってこないと困るが「爬虫類食の生き物」を飼育している方々です。餌としてコンスタントに入荷していたアノールが入ってこなくなってしまうんですから。
今度こそ、私たちも活発にパブリックコメントに参加するべきでしょう。

飼育中の個体は登録をして飼育を続ける
以前書いた記事で、あまり強調をしなかったので誤解を生んだようですが、特定外来生物に指定されても、現在飼育中の個体はきちんと登録をすれば飼育を続けられます。さらに登録自体は無料だそうですので、これはきちんと登録をして飼育をするようにしましょう。

ただし繁殖や譲渡・売買は禁止されますので注意して下さい。

絶対に遺棄しない
結局、今回のような法律を生み出したのは、外来生物を無責任に遺棄したり、逃がしたりしてしまったことです。本当に、これ以上、自分たちの首を絞め、日本の生態系にダメージを与えるようなことはしないようにしましょう。

特に、カミツキガメはこの法律の施行によって大量の遺棄が懸念されます。
この法律の問題点でもあるのですが、すでに危険動物として飼育が許可制になっているわけですが、きっとまだまだ無許可で飼育している人もいるでしょう。
この法律の施行によって、それを登録しなくてはいけないのですが、ここであらためて登録をすると、今まで無許可で飼育してきたことがバレてしまうわけですから、当然罰せられます。だからと言って、今回も無登録で飼育すれば、強烈な罰則(罰金300万円とか)があるわけで、そういうわけにもいかなくなります。
となれば「捨ててしまえ」と考える人もいるかもしれません。
もう、本当に絶対にやめましょう。絶対に。
捨てるくらいなら「殺して」下さい。

じゃ、どうする?今まで無許可でカミツキガメを飼育していた人たちは、どうすればいいのでしょう?
これはぜひ環境省の方に、一考していただきたいところです。

と言うわけで、両爬界を揺るがせた「特定外来法」も一段落を迎えました。
いよいよ、今後は私も私見を前面に押し出して、今後の方向性を探る提案を記事で書いていきたいと思います。みなさまからの御意見を、本当にお待ちしています。

最後になりましたが、今回の専門家会合に参加されたすべての先生方、特に両爬グループの4先生方は、本当にお疲れ様でした。
2回にわたる会議の議事録を読まれた多くの両爬ファンのみなさんは、口を揃えて「他のどのグループ部会よりも両爬部会の意見はハイレベルで有意義だった」と言っています。本当です。
今度は、私たち愛好家が動く番です。

<参考サイト>
環境省
特定外来生物の選定に関する専門家会合の議事資料および議事録のリンク集(環境省サイト内)
環境省のパブリックコメント募集ページfrom 環境省
第2回特定外来生物専門家グループ会合(爬虫類・両生類) レポート from S'hei's home page

<ガイド記事>
初めての「外来生物法」
パブコメ結果!
「外来生物法」ご意見募集!
両爬専門家会合開始!
第1回両爬専門家会合結果!
知ってる?「新動管法」
鹿児島県の保護条例

<協力>
レプタイルストア ガラパゴス
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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