爬虫類・両生類/ヘビの飼い方

ボア・パイソン編 拒食の汚名返上!(3ページ目)

久しぶりの「はじめての○○飼育」も第10弾です。今回はヘビ飼育の二大勢力の一つであるボア・パイソンの仲間に挑戦してみました!

執筆者:星野 一三雄

ボールパイソンを楽しむには

まずは、野生生物としてのボールパイソンのことを簡単に知っておきましょう。
ボールパイソンはセネガルからウガンダにかけてのアフリカ大陸中部に広く分布しています。草原やサバンナなどのやや乾燥した環境に生息しており小型の哺乳類などを主な餌としているようです。どちらかというと夜行性に近く、薄明薄暮の時間帯で行動が活発になるようです。

成長しても2.5mほどの小~中型のパイソンです。和名ではボールニシキヘビ、英名はBall PythonまたはRoyal Pythonとも呼ばれ、欧米では以前から高い人気があり、品種の作出なども進んでいます。

こういう基本的なことを押さえた上で彼らの飼育を考えてみましょう。

ボールパイソンの飼育は基本的には、一般的なヘビの飼育法に準じます。
こんな簡単にニシキヘビが飼えちゃうなんて
飼育例 写真:メダカクラブ

・ケース
基本的に脱走を防ぐことができるようなプラケースで構いませんが、重視したいのは床面積を広くとることです。大きい個体の場合は爬虫類専用ケースを使うといいでしょう。

・床材
多湿にする必要はないので、どのような床材でも構いませんが、メンテナンス等の利便性からキッチンペーパーや新聞紙などの紙類を使っている方が多いようです。

・インテリア
飼育容器内には「シェルター」と「水容器」が必要です。シェルターは他のヘビ同様、とぐろを巻いたときのサイズと同程度のモノを準備します。もちろん、脱皮の際にとっかかりになるようにザラザラした素材がいいでしょう。
水入れに関しては、水浴びを考慮して全身が入る大きさが基本ですが、必ずしもその大きさでなくても飲料用のみと考えてもいいようです。

・保温
基本的には飼育容器内に「温度の勾配」をつける方が良いようです。つまりフィルムヒーターなどでケース内の床面積の半分ほどを保温し、エアコンや保温球などを利用してケース内の温度管理をするわけです。
適温の目安として一年を通じてケース内の高温部は昼間30~32℃(上限35℃)、夜間27~29℃。低温域を利用して季節の変化を作り出すことを考えれば、夏季の低温域は昼間29℃、夜間27℃、冬季は昼間27℃、夜間25℃程度を維持すればいいでしょう。もちろん、神経質に考えるのではなくあくまで個体の様子を見ながら温度の調節をしましょう。

・照明
特別に紫外線は必要としませんが、爬虫類用の蛍光灯の中でもっとも紫外線量が少ないものを使えばいいでしょう。
後述しますが、ボールパイソンは繁殖目的でなくとも自然下で季節の変化を感じて休眠するような期間があるようです。ですから彼らの生活のリズムを作るために照明の点灯時間をその季節の日照時間にあわせて変化させてあげる方がいいかもしれません。タイマーは必須と言えます。
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