最近は外来種法とかイベントの記事ばかりで、なかなか両爬そのものに関する記事をアップしていなかったので、今回は久しぶりに「両爬飼育初級講座・初めての○○飼育」の第10弾であります。
で、お題は何かと言いますと、これまた無謀にも「初めてのボア・パイソン飼育」と来ちゃいました。ボア・パイソン系の飼育経験がない私ですが、結構好きな仲間なので、その魅力に迫ってみたかったんですよね...
ボア・パイソンの魅力
あくまで飼育初級者の方向けということで、はじめてのボア・パイソンに迫る前に、ちょっとだけボア・パイソンについて簡単におさらいをしておきましょう。いわゆる大蛇の代名詞とも言えるボアやパイソンの仲間たちは一般的にはボア科Boidaeとしてひとまとめにされています。で、わかりやすく言うと、その中で中南米に分布している種類がボア亜科、アジアからオセアニアおよびアフリカ大陸に分布している種類がニシキヘビ亜科とされ「ニシキヘビ」または「パイソン」と呼ばれているわけです。
イメージとして、もちろんアナコンダやアミメニシキヘビ、アフリカニシキヘビなどの大蛇中の大蛇もいますが、スナボア亜科のように1mにも満たない小さなヘビもいることは意外に知られていません。
もちろん、ボア・パイソンの仲間は、その大蛇としての存在感が魅力の一つですから、小さい種よりも中型から大型の種類の方がポピュラーで愛好家も多い傾向があります。しかしこの仲間の魅力はそれだけではありません。
魅力1「キレイ」
日本のヘビなどと比べると、その模様が実に美しいと言えるでしょう。大胆でありながらもどこか繊細で、ずーっと見ていても飽きない斑紋のパターンは、なるほど昔から「錦ヘビ」としてバッグなどに利用されたりデザインのモチーフにされたりするわけです。残念ながら日本のヘビでボア・パイソンの仲間の美しさに対抗できるのはハブくらいしかいないでしょう。
魅力2「CBが多い」
意外に思われる方も多いかもしれませんが、この仲間はCB化がかなり進んでいると言えます。もちろん、全然進んでいない種類もいますが、ペットとして流通している種の多くは、好んでWCを探す必要がなければCB個体と出会うことの方が多いでしょう。
これはアメリカやヨーロッパで比較的、古くから飼育の対象とされていたこともありますが、そのほとんどの種が皮革用やペット用にトレードされていたため、現在はCITESの対象種として現地で保護されているからでもあります。
魅力3「ハンドリングが楽しめる」
例外ももちろんありますが、飼育に向いている種の多くは、比較的性格も穏和で急な動きがない場合が多いので手に持ってハンドリングが楽しめます。これも国産種やアジアのナミヘビファンの私としては羨ましい限り。
ハンドリング 写真:exotic☆animals |
魅力4「代謝が遅い」
体が大きいわけですから、もちろん給餌量もハンパじゃないわけですが、これまたうらやましいのは代謝が遅いため、大きい餌をドカンと食べたら、しばらくは餌が切れても大丈夫である種が多いのも特徴です。もちろん種によって異なりますが、小さい餌をチビチビ食ってばかりのうちのサキシママダラあたりに見習わせたくなります。
魅力5「適度な飼育難易度」
この仲間は代謝が遅いせいか拒食する期間があったり、好適温度や湿度が決まっていたり、あるいは偏食する個体があったり、と実は飼育に手間がかかることがあります。もちろん私たち飼育愛好家は、そういう手間を楽しんで飼育という趣味を楽しんでいるわけですから、これも魅力と言えなくはないでしょう。